2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on utilization of cultural resources in community using case of Shibaigoya
Project/Area Number |
26380664
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小野澤 章子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (30291850)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 芝居小屋 / 地域社会 / 地域資源 / 文化資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
芝居小屋に関して本年度は主として以下の課題に取り組んだ。 1 事例の検討:現地調査対象とした芝居小屋は大きく2つあり、(1)国指定重要文化財である芝居小屋、(2)地域資源としての利用が進んでいる芝居小屋とし、これまでに調査が未実施であった芝居小屋に対して詳細な情報収集を行った。(1)の対象としては内子座(愛媛県)、旧廣瀬座(福島県)、旧呉服座(愛知県)、(2)としては、かしも明治座(岐阜県)である。全体を通して、地域資源としての役割の方向性によって芝居小屋の価値は大きく異なっていることが明らかになった。また、芝居小屋が廃館にならず再生されるプロセスが、その後の利用方針に大きな影響を与えることはこれまでに明らかになっていたが、今回の事例からも同様な知見が得られた。 2 全国の芝居小屋の基礎情報の把握:全国に約20館現存する芝居小屋について、引き続き主として文献資料を中心とした情報収集を実施し、それらの基礎情報を元に現地調査等を実施した。また、既に廃館となっている芝居小屋についても同様の情報収集を継続して試みたが、十分な情報を集めるのが困難となっており、資料の散逸などがこれ以上進む前に研究の蓄積が必要である。 3 全体的な考察:芝居小屋の発展・衰退の要因としては、特にこれまでの地場産業の社会的経済的位置づけがあげられるが、芝居小屋を再発見し移築復原等に取り組むなかで、地域社会の関係者たちは、自らの地域がもつ文化資源の特徴やその豊かさを再発見し、新たな地域づくりの契機となっていることが示唆された。
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