2015 Fiscal Year Research-status Report
日米核燃料サイクル政策変遷に太平洋島嶼地域住民運動が与えた影響の実態解明
Project/Area Number |
26380689
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
樫本 喜一 大阪府立大学, 人間社会学部, 客員研究員 (10598965)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 原子力政策 / 日本現代史 / 核不拡散政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
日米核燃料サイクル政策に太平洋島嶼地域住民運動が与えた影響の実態解明というテーマにそって、当年度においては、日本で実際に建設された核燃料サイクルの中核施設である再処理工場(青森県六ケ所村)の立地に至る経緯を示した一次資料や、同時期の米国がとった核拡散防止上の施策に関する関連資料などを収集し、その分析に力を注いだ。 昨年度に手がかりを得て、調査を進めるうち、当初は六ケ所村への再処理工場立地は、本研究テーマと関連が薄いようにも思われたのだが、結局のところ離島へ再処理工場を立地させる計画が見直されて、当地に変更された時期の経緯こそが、本研究テーマ上の核心部分に触れるものであると判明してきたので、これら事項の調査に注力した。また、米国の核拡散防止上の施策が直接的に太平洋上の離島に核関連施設を立地させるというアイデアと結びついていたことも判明してきた。 これらの経緯をまとめて考察した研究事例は、管見の限り、日本国内ではほとんど存在しなかった。それゆえ、現段階で判明した事項は取り急ぎではあるが、「虚構の核燃料サイクル」『核の世紀』東京堂出版2016年3月(357-383)、「1976年米国大統領選挙キャンペーンにおける原子力政策について―日本における使用済核燃料再処理問題の歴史的背景―」『現代生命哲学研究』第五号2016年3月(28-50)で発表した。また、今後も同様に機会を捉えて適宜発表していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集など出張を伴う作業を効率的にこなしたため、進捗状況は比較的順調に推移している。このペースを維持したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
前述のとおり出張などを伴う作業が多く見込めるため、効率的な時間配分を行って研究を進めていきたい。
|
Causes of Carryover |
当該年度の前年度に生じた分(この時の発生事由は前研究の成果となる大型資料集発行と事業年度が重なったため)が引き続き次年度使用額として生じてしまった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究時間を効率的に利用して挽回したい。
|