2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380701
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
佐々木 正道 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 名誉教授 (30142326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 諒三 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60220711)
安野 智子 中央大学, 文学部, 教授 (60314895)
矢野 善郎 中央大学, 文学部, 教授 (70282548)
森 秀樹 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (00274027)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 信頼感 / 国際比較 / 意識調査 / 価値観 / コレスポンデンス分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は「信頼感」の同レベルの国について体系的比較研究を遂行した。これまで我々が行った調査研究では、「信頼感」が低レベルの国は、ロシアとトルコの2カ国、中レベルの国は日本、米国、ドイツ、チェコ、台湾の5カ国、そして、高レベルの国はフィンランドの1カ国であることが明らかとなった。本研究では、高レベルの国についての比較を可能にするため、新たにノルウェー(World Values Surveyによると高レベルにランクされている)を加え、新たに開発した「信頼感」尺度を構成する質問項目を使用して、20歳以上の成人を対象に、統計的標本理論に依拠した全国規模の面接による意識調査をノルウェーの調査機関(IPSOS)に委託してオムニバス方式により実施した。その調査データについて、1)データ・クリーニング及びデータ・ファイルの作成、2)本調査結果の整理、単純集計データの検討、コレスポンデンス分析を行った。分析の結果、3)新たに開発した「信頼感」尺度の有効性を確認できた。 4)本研究の調査で用いた「価値観」の質問の一部と「信頼感」の関連をノルウェーとフィンランドの社会構造の相違を考慮に入れて解明することができた。 5)これまでの8カ国とノルウェーを加えた総合的分析を「信頼感」が同レベル(高・中・低)の国に関し、対人関係・道徳観・法に対する考え方・宗教の4つの領域において、体系的比較分析を行うことにより「信頼感」の形成過程との関連について類似点・相違点を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
委託調査費のための予算がかなり減額されたものの、ノルウエーでの調査が順調に実施できたことと、各国との比較研究が予想通り進んでいるため
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Strategy for Future Research Activity |
1)「信頼」に関する諸理論、社会変動論、近代化-脱(または再帰的)近代化論、収斂 理論、グローバリゼーション、宗教の世俗化などの社会科学の諸理論を踏まえ、新た な理論構築のための検証可能なモデルを設定し検証する。 2)国内外の学会等で研究成果を発表する。 3)基盤(A)と(B)で平成19年度から平成24年度に実施した「信頼感」に関する調査 データとノルウェーの調査のデータを加えた9カ国のデータ・ベースを作成する。
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Causes of Carryover |
7年度に予定していたノルウエーでの調査について、面接調査費が申請時よりかなり高額となり、実施できないこととなったため、電話によるオムニバス調査の実施に変更した。その結果残った予算を次年度に繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度の研究補助費(資料整理、調査データの一般公開のための準備等)、研究打ち合わせのための国内旅費、会議費、研究成果報告書の印刷費(日・英語版)に加え、新たに必要となった費用として、調査データのコレスポンデンス分析結果の論文発表のために布置図の作成を委託する費用、国際会議・資料収集のための海外出張旅費、専門分野の協力者への謝金、外国語(ロシア語、チェコ語、トルコ語、中国語)への翻訳料などがある。
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