2014 Fiscal Year Research-status Report
AFL-CIOの路線転換とアメリカの社会運動ユニオニズムに関する調査研究
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26380707
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
高須 裕彦 明治大学, 研究知財戦略機構, 客員研究員 (40533964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 恵美子 明治大学, 研究知財戦略機構, 客員研究員 (50533965)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会運動ユニオニズム / 労働運動 / 労働組合 / 労働者センター / コミュニティ組織 / 最低賃金 / 再活性化 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会運動ユニオニズムに関する先行研究や調査対象地域であるニューヨークやロサンゼルスの労働運動に関する先行研究のレビューを行った。インターネットを通じて、調査対象組織の資料収集を行った。2014年7月に、来日した米国人研究協力者と会議を設定し、研究計画について相談、アドバイスを受けた。2014年7月20日に、一般公開の「社会運動ユニオニズム研究会」を開催し、「ウォール街占拠運動とその労働運動・社会運動へのインパクト」をテーマに、上記研究者に報告いただき、議論を行った。2014年11月にニューヨーク、2015年1月にロサンゼルスを対象とする訪問調査を実施した。産業別労働組合や労働者センター、コミュニティ組織を訪ね、組織や活動実態について、聞き取りと資料収集を行った。 以上の調査研究から以下の知見を得ることができ、今後の調査研究への足がかりをつかむことができた。 1.2つの新しい労働者組織化モデルが存在すること。1つめは、労働組合そのものに組織するのではなく、まずはファストフードやウォルマート、小売業などをターゲットにしたキャンペーンを立ち上げ、そこで働く労働者の会員組織を立ち上げる、という方法である。2つめは、まずは労働者センターとして組織化を進め、その後に労働組合化するというモデルである。 2.ロサンゼルスには、2003年以来、3度の訪問調査を行っているが、それらと比較すると労働者センター運動が大きく成長し、労働組合との連携を深めていること。 3.ウォール街占拠運動のインパクトが格差と貧困に対する世論の関心を喚起していること。ファストフードやウォルマートのキャンペーン、労働組合、労働者センター、コミュニティ組織などが合流して、最低賃金引き上げ運動を盛り上げ、近年の州や基礎自治体レベルの最低賃金引き上げを実現していること。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度は、ワシントンDC、ニューヨーク、マディソンの調査を予定していたが、先行研究や米国人研究協力者のアドバイスでニューヨークとロサンゼルスに対象を絞り込んで訪問調査を実施した。対象を絞り込んだことで、深く対象を理解し、さらに今後の調査への足がかりを作ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の対象地域をニューヨークとロサンゼルスに限定し、調査対象と信頼関係を形成しながら、繰り返し訪問調査を行う。ワシントンDCのAFL-CIOやSEIUの本部などは、最終年度に1度訪問して聞き取り調査を行う。
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Research Products
(1 results)