2017 Fiscal Year Annual Research Report
International Labour Migration and Globalization: A study on the living conditions of Bangladeshi woman migrants
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26380709
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
鈴木 弥生 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (80289751)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バングラデシュ / アメリカ合衆国 / ニューヨーク市 / 女性移民労働者 / 移民労働者 / 労働者階級 / 貧困 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、コロンビア大学の客員研究員としてニューヨーク市に滞在した。この間、文献や資料収集、同大学南アジア研究所の定例研究会のほか、アマルティア・セン講演会や複数の大学で開催された研究会に参加した。 バングラデシュ出身の女性移民労働者の多くは、男性が移動もしくは移住した国・地域に出向いている傾向があることから、女性に限定せず、男性からの聞き取り調査も継続してきた。あわせて、バングラデシュ出身者からなるコミュニティやNGO集会への参加とそこでの意見交換を行った。そのほか、南米出身者のコミュニティでの聞き取り調査を行った。また、移民政策のなかには、廃止や見直しについて議論されているものがある。こうした動きに対して、当事者を中心とする大規模な反対集会が開催されたため、参与観察と少数ではあるが聞き取り調査を行った。 アメリカ合衆国のダイバシティ移民ビザプログラムは、バングラデシュにおいても広く知られるようになり、応募者は年々増加していった。実際には、このビザによるアメリカ合衆国への移住者数は制限されている。バングラデシュ出身の移民労働者の過半は、労働需要や相互扶助関係を主な要因としてニューヨーク市に移住している。彼女らは、バングラデシュでは中間層に位置しているものの、ニューヨーク市では低賃金の長時間労働によって生活を維持する移民労働者である。その雇用形態は、非正規雇用や時間労働に限定されている。その殆どは、単身で移動して5年間経過したのち市民権を取得しているが、それ以降も長時間労働から脱出することは困難である。女性移民労働者の当初からの目的は家族構成員を呼び寄せることであり、それを実現してきたものの、2017年度以降、それが困難になっている。 本研究は、数年間に及ぶ現地調査と文献・資料収集を通して、ニューヨーク市における移民労働者の実態を明らかにしたことに意義を有する。
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Remarks |
鈴木弥生「受賞の言葉」『国際開発学会ニューズレター』Vol.29, No.1.(通刊第107号)2018年2月1日発行、8-9頁。 file:///C:/Users/Cyayoisakino/Downloads/NL29-1%20(2).pdf
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Research Products
(4 results)