2016 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study of Factors Impeding Tourism-based Community Development
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26380734
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
四本 幸夫 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (50449534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠田 展行 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (30331101)
韓 準祐 立命館大学, 文学部, 助教 (00727472)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 観光まちづくり / 自治体 / 観光地化 / 阻害要因 / 成功 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成28年度は、全国自治体アンケート調査で阻害要因の値の高かった自治体から10箇所を選び、現地調査をおこなった。調査先は、福岡県赤村、京都府福知山市、佐賀県唐津市、三重県多気町、滋賀県甲賀市、青森県大鰐町、大分県別府市、東京都大島町、青森県深浦町、千葉県四街道市であった。以下は現地調査の分析結果である。
1.「葛藤」という要素以外にも、「人材」「資源」「財源」「開発」等の項目が阻害要因として行政担当者に認識された。とりわけ「人材」や「財源」という項目は、行政側の意見による分析を主としたため、抽出されたとも推察できる。「開発」が阻害要因として捉えられていることは、観光まちづくりをどのように行政側が捉えているのかをみる指標ともなる。つまり、開発を阻害要因とすることは外来型開発を観光まちづくりに含まない事を意味する。「内発的発展」としての性格を行政側は観光まちづくりに期待しており、同時に観光による地域活性化を目指すが、「資源」が課題であるという認識も見られた。「資源」に関しては、観光まちづくりを擁護する立場で書かれた論文や書籍において、地元の「宝探し」をすることによって、地域の歴史や文化を見直すことができると主張されている。しかし、「観光」による「地域活性化」という行政側の捉え方に基づくと地域の「宝」が外部にも評価されるかどうかを客観的に見極める視点も必要であろう。
2.コンフリクト(軋轢や葛藤)のプロセスについては、明確に見えてこないケースも見られる。現地調査の際、行政担当者が語った内容としては、そもそも観光まちづくりに取り組んでいなかった地域が、近年になって観光の重要性を認識し、観光まちづくりに取り組み始めたが、地域住民のみならず、行政としても観光に対する理解が十分に得られず、その結果、自己評価や阻害要因に関する質問に否定的な回答をしたというケースが多く見られた。
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