2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380737
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
廣井 良典 千葉大学, 法政経学部, 教授 (80282440)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コミュニティ経済 / 地域内循環 / 鎮守の森 / 自然エネルギー / コミュニティ / 地域再生 / 地方創生 |
Outline of Annual Research Achievements |
「コミュニティ」と「経済」という二つのテーマは、本来は緊密に関わるものでありながら、歴史的な展開の中で両者が分離してきたという背景もあり、統合的に扱われることは稀となっている。しかし本来コミュニティの基盤には人々の経済活動があり、逆に経済システムもまたその内にコミュニティ的性格(相互扶助的な要素)を含む方向への新たな流れが生じている。本研究では「コミュニティ経済」という新たなコンセプトを立て、その内容にそくした類型化や理論枠組みを構築するとともに、事例研究や関連調査等を行い、政策提言をまとめることを目的としている。 2年度目の27年度においては、研究計画の柱のうち1)コミュニティ経済の暫定的概念化とタイポロジー(類型化)及び2)各類型にそくした事例研究・分析について引き続き研究を進めるとともに、3)のUターン分析に関して基礎的なアンケート調査を実施し、また4)コミュニティ経済の理論モデル化に関する作業を進めた。このうち2)については、自然エネルギー、伝統文化(鎮守の森・自然エネルギーコミュニティ構想)、農業、商店街、ケア等の領域に関する事例研究を進め、その知見を1)や4)にフィードバックさせつつ吟味を行った。 今後はこれらの分析をさらに掘り下げるとともに、関連調査の実施や理論モデル化を進め、高齢者や若者を含む多様な人々がコミュニティに包摂されつつ経済的保障が実現されるような地域社会や社会システムの実現に向けた政策提言をまとめたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)上記のように研究テーマの目的に沿った調査研究が着実に進展している。今後は各領域にそくした事例研究を総合化し、コミュニティ経済という新たなコンセプトの定式化やタイポロジー(類型化)の整理、そしてそれらを踏まえたコミュニティ経済の理論モデル化と政策提言にまとめていく予定であり、これらは近時社会的な主要関心事となっている地方創生や地域再生等の社会的要請にも貢献することが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) これまでの研究成果を踏まえながら、「コミュニティ経済」という概念の精緻化・理論化を図るとともに、引き続き自然エネルギー関係、伝統文化関係、農業関係、商店街関係、福祉(ケア)関係、地場産業関係等のコミュニティ経済ないし地域再生政策について検討を進め、理論モデル化や政策提言につなげていきたい。 (次年度の研究費の使用計画) 上記のような事例研究に伴う出張旅費や専門的知見を有する者への謝礼、関連文献の購入等が主要な支出項目となる予定である。
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Causes of Carryover |
一部の調査を次年度にまわすことにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
コミュニティ経済の事例に関する調査に使用。
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