2015 Fiscal Year Research-status Report
英国における孤立無業者(SNEP)と社会的企業の役割
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26380744
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
山本 惠子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20309503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 隆 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (90200815)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 孤立無業者 / ひきこもり / 生活困難 / ソーシャルワーク / 自立支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
毎月ベースで、関西学院大学梅田キャンパスにて、孤立無業者を含む多問題家族を扱う社会的企業に関する文献を検討した。次に、2015年8月7日~8月29日の期間に、イギリス調査を行った。12日には、スキルズ・フォー・ケア(Skills for Care)研究所で、高齢者ケアの動向に関するヒアリングを行った。14日には、ロンドンのランベス(Lambeth)区の高齢者福祉部で、高齢者ケアと地域包括ケアに関するヒアリングを行った。16日には、社会的企業トパーズ(Topaz)で、事業実態に関するヒアリングを行った。17日には、ジョセフ・ラウントリー財団(Joseph Rowntree Foundation)で、高齢者貧困に関するヒアリングを行った。18日午後には、多問題家族に取り組む社会的企業パーティシプル(Participle)でヒアリングを行った。スウィンドン(Sweindon)とウィガン(Wigan)などの自治体での実践から得られた知見と孤立無業者の生活実態に関する情報を得た。同日午後には、中央政府内務省(Home Office)に移動し、多問題家族対策チームのヒアリングを行った。20日には、ランベス区戦略本部で、ランベス自治体戦略に関するヒアリングを行った。22日には、再びトパーズのソーシャルワークに関するヒアリングを行った。25日には、チェルシー・ケンジントン(Chelsea and Kensington)区で開催されたGP-ハブに参加し、地域包括ケアの取り組みを傍聴した。最後に、2016年1月28日および29日に、ノーザンプトン大学(Northampton University)クリス・ダーキン(Chris Durkin)氏を関西学院大学に招聘し、意見交換会を開催した。29日には特別講演会:「イギリスの多問題家族と社会的企業」を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目である平成27年度では、基礎的文献資料を検討し、8月の英国調査につなげた。英国では、ノーザンプトン大学関係者との学術交流により、孤立無業者(SNEP)の実態と彼らを支援する社会的企業の動向に関する知見を得ることができた。平成28年1月には、ノーザンプトン大学クリス・ダーキン氏を日本に招聘することで、本質的な議論を深めることができ、3年目の研究調査につなげることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、孤立無業者を含む多問題家族の生活状況と貧困との関連を調査する予定である。特に孤立無業者が福祉給付をどの程度利用しているのかについて、捕捉率(take up rate)を把握し、比較研究として日本の生活困窮者自立支援事業における生活保護の申請との関係を調査する予定である。総括の作業として、孤立無業者の生活改善、雇用訓練サービスの効果、就労への成果、就労の継続性について日英比較を展開したいと考えている。
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Causes of Carryover |
3年目の最終調査やイギリスの研究者の招聘に資金を集中させたいため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度はイギリスの複数の研究者(社会的企業研究・貧困研究・ガバナンス研究)の招聘に力点を置く計画を立てている。
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Research Products
(6 results)