2015 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害者の医療福祉連携を促進する職業リハビリテーション計画書
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26380766
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
會田 玉美 目白大学, 保健医療学部, 教授 (60406569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 孝 目白大学, 保健医療学部, 教授 (70158202)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高次脳機能障害 / 職業リハビリテーション / 復職 / 就職 / プロセス / 計画書 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は当研究課題の業績として海外発表2件、国内発表2件、講演など2件があった。平成26年度に行った高次脳機能障害の職業リハビリテーションに実績のある東京近郊の専門家へのインタビュー調査から作成された高次脳機能障害の職業リハビリテーションの効果的プロセスを用いて、高次脳機能障害者のリハビリテーション計画書を作成するため、広く意見、情報を収集する必要があった。そのため、インタビュー調査で作成されたプロセスを国内外の学会で発表した。他の研究者や実践家からの多くの意見をもらうことができた。また、脳損傷による高次脳機能障害者を多く抱えるアメリカ、およびヨーロッパ諸国の高次脳機能障害者に対する医療福祉サービス、専門職連携についての情報を得ることができた。 また講演等は、板橋区、練馬区の高次脳機能障害のセミナー講師を依頼され、高次脳機能障害をもつ方の職業リハビリテーションについて、それぞれ支援者向け、一般向けの講義を行った。講義内容は本研究の結果を中心としたものであった。 28年5月の本研究の課題である高次脳機能障害の職業リハビリテーション計画書のリハビリテーション連携の促進に対する効果を明らかにするためのアンケート調査に向けて、計画書の構成をグラフィックデザイナーに依頼、同時に東京都心身障害者福祉センター地域支援課、高次脳機能障害担当者3名に計画書の文言の校閲を行ってもらった。現在は高次脳機能障害の職業リハビリテーション計画書の校正の最終段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高次脳機能障害者の職業リハビリテーション計画書に盛り込む内容を検討し、東京都高次脳機能障害支援部局の監修を受けた。3月現在、グラフィックデザイナーとの最終調整を行っている。計画書の概要は「高次脳機能障害とは」「職業リハビリテーションとは」「復職とそのサポート」「就職とそのサポート」「高次脳機能障害者の働くためのプロセス」「職業リハビリテーションのための支援のプロセス」「あなたのプロフィール」からできているB5版8ページの印刷物が作成された。少しでも早く多くの支援者の連携のもとに早期に職業リハビリテーションの支援につなぐことができるように、障害を改善させる医学モデルではなく、障害を持つ方の強みに焦点を当てたストレングスモデルをプロフィール作成に採用している。イラストレーターにイラスト・構成を依頼した。本計画書はこの後の計画書の効果判定の対象地区となる東京都心身障害者福祉センターの地域支援課高次脳機能障害支援担当者3名に計画書の監修を依頼し、最終修正をおこなった。その後イラストレーターによるPDFデータの作成に入り、校正中である。
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Strategy for Future Research Activity |
28年4月中に計画書の印刷200部を発注、完成する予定である。これを板橋区自立支援部会高次脳障害部会の構成員の中から、高次脳機能障害者の急性期および回復期に関わる医師、作業療法士、言語聴覚士、メディカルソーシャルワーカー約60名を対象にこの計画書を高次脳機能障害を持つクライエントへの説明に使用してもらい、職業リハビリテーションの連携が促進されたかどうかを比較する。職業リハビリテーション連携に関するアンケートの実施は計画書使用前(28年5月)と3か月後(28年8月)、6か月後(28年11月)とする。残りの計画書があれば引き続き、クライエントへの説明や案内に使用してもらう。 本研究の成果を原著として発表するとともに、その後は共通の要素を抜粋した英語版を作成し、その効果を比較するなどの、海外共同研究の可能性も探りたい。
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Causes of Carryover |
高次脳機能障害者の職業リハビリテーション計画書の作成費(デザイン、印刷費)、研究協力者への謝礼、データ解析用統計ソフト購入費が未支出であるため次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度4月~5月に高次脳機能障害者の職業リハビリテーション計画書のデザイン及び印刷費の支出を行う計画である。また、5月より、板橋区自立支援部会高次脳機能障害部会員の所属する急性期および回復期リハビリテーション病院にこの計画書を診療時における患者への説明に使用することを依頼するために謝礼が必要である。計画書使用前後のアンケート調査のデータ分析に統計ソフトを購入する予定である。
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Remarks |
依頼講演が2件あった。 いずれも当研究課題の成果を発表の骨子としている。
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Research Products
(6 results)