2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on shopping support of the elderly person in the housing complex
Project/Area Number |
26380771
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
佐藤 可奈 聖徳大学, 心理・福祉学部, 講師 (90595894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 公矢 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (50167483)
赤羽 克子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (90369398)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 買物弱者 / 団地 / 社会的孤立 / 社会的交流 / 知縁 / 食生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、買物問題に直面している買物弱者層の買物行動と食生活の実態を把握し、課題とニーズを明らかにすることで、今後の都市型買物弱者に対する支援の方向性を検討することを目的とした。 研究最終年度は、日本介護福祉教育学会での口頭発表、聖徳大学生涯学習研究所紀要での論文発表、3年間の研究成果をまとめた報告書の作成を行った。 研究1年目に行った質問紙調査では、一人暮らし高齢者の生活課題のうち、男性は「近所づきあい」、「食事の栄養バランス」の2つが課題として浮かび上がった。また、80歳以上の者は、日常生活自立度が低下したときに「買物頻度が減少」、「一人で買物や食事準備ができない」等の問題が生じるため、社会的支援の必要性が高くなることが明らかとなった。 研究2年目に行ったインタビュー調査では、他者との交流の4タイプと食生活、栄養状態との関係を検討した結果、社会的に孤立している高齢者は食生活に変調がみられ、低栄養のリスクが高く、BMIが低くなるという知見が得られた。 本研究によって、高齢者世帯、とりわけ高齢者単独世帯の生活課題とそれへの支援としては、従来の自然発生的な地域コミュニティが希薄になっている現代において、フォーマルなサービスだけで高齢者単独世帯の生活課題を解決することは困難なことが明らかとなった。地域の人材を有効に活用し、住民同士をつなぐことで、サポート体制の充実を図ることが求められ、その取組みの実現のためには、NPO等の地域のインフォーマルな社会資源の活動が大きな役割を果たすものと考える。人口の高齢化が進む中で、高齢者の社会的孤立は早急な対応を迫られる問題として社会問題化しており、社会福祉政策の視点からも社会的孤立に関連した施策の整備がより重要な課題になると考える。
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Research Products
(2 results)