2016 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study on Foster Parental Problems from Caring for Children with Developmental Disabilities
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26380772
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Research Institution | Tokyo Seitoku University |
Principal Investigator |
中山 哲志 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授(移行) (80327262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深谷 昌志 東京成徳大学, その他部局等, 名誉教授(移行) (00031542)
深谷 和子 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (00015447)
倉本 英彦 明治学院大学, 心理学部, 研究員 (10609647)
沢崎 達夫 目白大学, 人間学部, 教授 (90143180)
金城 悟 東京家政大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (70225118)
石田 祥代 東京成徳大学, 応用心理学部, 教授(移行) (30337852)
関谷 大輝 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授(移行) (80619213)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 養育里親 / 養育困難 / 発達障害 / 不調 / 養育環境 / well-being |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に当たる3年目の研究は、全国里親会の協力を得て平成27年12月から平成28年1月にかけて実施した全国アンケート調査の結果について分析を行った。養育里親の方々(3450人)にアンケート用紙を配布し、1862人から回答が得られた(回収率54%)。里親子関係や里子の状態などから里親の方々の養育困難の状態を把握し、そのなかに発達障害に関係した問題がどれだけあるのかに焦点を当て検討した。その結果、里親の属性や里子の状態から里親子関係を見る中で、明らかに医師等から発達障害の診断を受けた里子の比率は34.1%であった。 しかし、診断を受けていないが発達障害様の状態の傾向を示す里子が多いことも結果として示された。ただし、その原因が障害によるものか、養育されるまでの養育環境にあるのかを区別するのは困難であった。養育困難な状況のなか、身体面のみならず心理面でも疲労感を感じている里親が多くいることも明らかになり、こうした状態にあるにもかかわらず、不調に至らず養育を継続している里親がおられることが推測された。 養育困難であってもひたすら里親子関係を豊かにすることに努められている里親のためにも、里親たちの養育環境をよりよくする、里親たちのwell-beingを具現化する支援の必要性があり、アンケートに示された自由記述に、養育する上での願いや要望が種々書かれていた。養育開始時期をより早めることや、受け入れ時の里子の状況に関する情報提供の必要性、障害に関する理解や知識、具体的な関わりを学ぶ研修制度が必要であること、それらに関連して定期的な訪問による見守り、緊急時の適切な対処など、必要とされる支援について検討を加えた。これらの内容も含め、3年間にわたる研究成果を報告書にまとめた。
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Research Products
(1 results)