2015 Fiscal Year Research-status Report
組織風土の観点による援助者支援にもとづく被措置児童等虐待防止に関する研究
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26380783
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
加藤 尚子 明治大学, 文学部, 准教授 (00307977)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 被措置児童等虐待防止 / 施設風土 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会的養護における被措置児童等虐待防止は,子どもの最低限の福祉を保証するために喫緊の課題である。しかしながら,その発生要因や対応策についての実証的研究はほとんどない。本研究では,被措置児童等虐待の防止を目的として,援助者支援の観点から組織風土に着目した発生要因の検討と具体的な介入ツールの開発を目指している。発生状況に関する基礎的研究を数量的・質的分析に基づき行い,発生要因と生起状況を把握し,それに基づき「社会的養護関係施設の組織風土測定尺度」を開発し,被措置児童等虐待が発生しにくい組織風土を模索することが目的である。 本年度は,社会的養護関係施設の組織風土を把握する「社会的養護関係施設の組織風土測定尺度」を作成する準備として,組織風土尺度と,福祉施設の組織風土に関する文献収集を行いった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の目的は、社会的養護における被措置児童等虐待防止を目指して,その発生要因や対応策についての明らかにすると共に,援助者支援の観点から組織風土に着目した発生要因の検討と具体的な介入ツールを作成することである。具体的には,発生状況に関する基礎的研究を数量的・質的分析に基づき行い,発生要因と生起状況を把握する。それに基づき「社会的養護関係施設の組織風土測定尺度」を開発することを目指している。 本年度は,被措置児童等虐待の統計資料の収集と,施設風土尺度および社会福祉施設の風土に関する文献収集を行った。収集資料をふまえ,尺度項目を抽出することを目的に,現在論文執筆中である。しかしながら,現時点では成果物としては完成していないことから,当初計画と比べての進捗状況は遅れていると判断せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の当初の計画では, ①公表資料に基づき,被措置児童等虐待の数量的・質的分析を行い,発生状況と発生要因に関する基礎的研究を行う。②その結果をふまえ,より詳細な事例に基づく質的分析を加え,生起状況と要因の緻密化をはかり,発生要因と発生プロセスを明らかにする。③その上で,社会的養護関係施設の組織風土を把握するツールとなる「社会的養護関係施設の組織風土測定尺度」を作成する。④被措置児童等虐待が発生しにくい組織のあり方と介入方法を検討する。⑤作成した「社会的養護関係施設の組織風土測定尺度」を用いて,結果をふまえてアクションリサーチの手法に基づき,実際に社会的養護関係施設に介入し,援助者支援の観点から開発されたツールと介入方法の緻密化を計る。⑥以上の成果を組織風土に関して豊富な先行研究を持つアメリカの組織風土研究と比較検討し,内容の妥当性を検証する。 ことを計画している。基本的には,研究計画に大きな変更はなく,計画通りに進めていく予定である。今年度は事情により,十分に当該研究に取り組むことができなかった。そのため,研究の進展には遅れが見られている。研究計画全体を延長することを視野に入れつつ,研究協力機関並びに研究協力者との検討を密にすることで,今後の研究の進展を確かなものにしていきたい。
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Causes of Carryover |
補助事業を1年中断することと,ほぼ同様の状況であった。事情により,十分な研究時間の確保ができなかった。また,文献研究が中心となったため,少ない経費で研究活動が可能であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降は,当初の通りの研究計画に則り,順次研究を実施していく。1年間の研究期間の延長を予定している。
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Research Products
(6 results)