2016 Fiscal Year Annual Research Report
The research about the changing process of advocacy and social entrepreneurship based community social worker
Project/Area Number |
26380789
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Research Institution | Yamanashi Gakuin University |
Principal Investigator |
竹端 寛 山梨学院大学, 法学部, 教授 (90410381)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 権利擁護 / 社会起業家精神 / コミュニティソーシャルワーク / 生成的対話 / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コミュニティソーシャルワーカー(CSW)が権利擁護を基盤とした実践を行う際に、どのような社会起業家精神(social entrepreneurship)が求められるのか、というCSWの変容課題を整理することを目的としている。 そこで、社会起業家精神を抱いて、不可能を可能にした、地域支援を先駆的に開拓してきた現場を訪問し、その開拓プロセスやソーシャルアクションのあり方、などをフィールドリサーチに基づき探り続けて来た。本研究ではニューヨークの精神障害者の当事者グループによるコミュニティ変革、イタリアのトリエステでの精神病院なしの地域生活支援システムの構築、フィンランドでのオープンダイアローグ実践、スウェーデンでの障害者福祉の先駆者の足取りを追う、など多角的な現場の声を拾い上げてきた。 研究最終年度は、上記の取材から見えてきた論点を整理することに力を注いだ。対象者の内在的論理に寄り添い、膠着した状態を変え、対象者の福祉的ニーズの充足のみならず、対象者や対象地域の権利擁護やエンパワメントにつなげる支援を実践してきた先達たちは、動的ダイナミズムを重視した物語生成・構築能力を持っていることがわかってきた。その際、生成的な対話が、膠着状態を乗り越える為の鍵となることが明らかになってきた。 つまり、社会起業家精神を発揮しながら、権利擁護に基づくコミュニティソーシャルワークを展開して行く上での鍵が「生成的対話」であり、このようなダイアローグに基づく地域実践こそ、地域の膠着した状況を開き、絶望を希望に変える可能性を生み出す基盤になる、ということが明らかになった。
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