2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study of the concept of utilizing check sheets to prevent child Filicide-Suicide
Project/Area Number |
26380797
|
Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
石川 瞭子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (50330634)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 子どもと一緒の暮らし / 喪失体験 / 自己破壊行動 / 生活の語り / オルタナタィブな語り / 成功体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、前年度までに取り組んだ【テーマ1】及び【テーマ2】の研究結果を統合し、【テーマ3】として本研究の研究課題である「心中による虐待死」の未然防止に向けたチェックシートを考案した。まず、母親の自殺に子どもを巻きこむ「心中による虐待死」を未然に防止するにあたり、母親を支える際の支援策として3つのステップの試案を作成した。次にその試案をもって、日本家庭教育学会東海支部家族研究会(主任講師及びスーパーバイザー:石川瞭子)において、西岡弥生(研究協力者)が講師として試案の実施について説明し意見を募り実効性について検討した。具体的には、ステップ1では「支援者が母親の傍にい続け母親が地域で子どもと一緒に暮らせるよう見守ることを約束します」とし、母親に安心感を与え信頼を得るためのことばがけについて検討した。ステップ2では「母親の『自己破壊行動』を未然防止します」とし、母親の「生活の語り」のなかから【テーマ1】【テーマ2】で見出された「喪失体験」に関連する項目を聞き取る際のことばがけや、気をつける点等についてご検討した。ステップ3では「母親が自分の力を信じ再び歩きだせるよう「成功体験」を掘り起こし勇気づけます」とし、母親の「成功体験」=嬉しかったこと・幸福を感じたこと等を聞き取る際のことばがけについて検討した。以上をふまえ、第11回聖隷クリストファー大学社会福祉学会大会:プレセッション(座長・講評:石川瞭子)において、「『心中による虐待死』の未然防止策‐オルタナティブな語りを支援するチェックシートの考案」を研究成果報告として発表し、完成したチェックシートを配布した。発表ではチェックシート活用の際の留意点として、当チェックシートは母親を選別するためのものではなく、自身の苦しさを語れずにいる母親を支えるために支援者側に必要な心構えと姿勢を提示したものであることを明示した。
|