2014 Fiscal Year Research-status Report
社会的養護における成人期移行に関する生活・自立支援-施設経験者の生活史から-
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26380808
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
伊部 恭子 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (90340471)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会福祉 / 児童福祉 / 社会的養護 / 自立支援 / 児童養護施設 / 自立援助ホーム / 生活 / 社会関係(社会的つながり) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、先行研究の知見及びこれまでに実施した調査研究の成果をふまえ、児童養護施設等の社会的養護を受けた経験者(「以下、当事者」)の生活支援、自立支援に関する課題を考察することである。本研究は、これまでの調査研究の継続的・発展的な研究として位置づく。 具体的には以下の2点について検討する。第1に、当事者の生活の連続性において、社会的養護を受けたことがどのような意味をもっていたか、すなわち、当事者による社会的養護におけるケア(アドミッションケア、インケア、リービングケア、アフターケア)、すなわちケア過程の評価についての検討である。第2に、施設等退所後の当事者の生活及び家族関係・社会関係に関する困難の諸相とそれらへの対処から、求められる社会的支援(法制度の狭間にある成人期への移行期支援等)の課題を検討することである。 本年度は5年間の研究実施計画の初年度となる。したがって、主な研究内容とその意義、重要性は、第1に、先行研究及び筆者がこれまでに実施した研究をふまえた本調査研究の枠組みと方法をより精緻なものとし、調査実施に向けての具体的手続きと準備、調査対象への依頼と契約を行うことである。また、第2に、社会的養護関連施設等から専門的知識の提供を受け、本研究課題に関する現状と課題を検討し、調査設計に活かすことである。そのうえで、第3に、準備が整い次第、対象者へのインタビュー調査を開始することを目指した。なお、この点については、後述するように、研究遂行上、平成27年度の実施に向けて調整、修正を図っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究の目的」、「平成26年度の研究実施計画」に基づき、研究を進めているものの、本調査研究の枠組みと方法をより明確にし、調査実施に向けての具体的手続きや準備において時間を費やし、研究の進捗状況はやや遅れている。本調査実施に先立ち、本学の「人を対象とする研究」倫理審査委員会の審査を受け、承認されるまでの時間も必要とした。 また、本研究における調査は、これまでに実施した調査の「追調査」という位置づけにある。したがって、これまで協力を得た調査対象者の紹介先となる施設・団体等への依頼と契約に関する手続きを行ったが、その施設・団体等のなかで、社会的養護に関する専門的知識の提供については協力可能だが、運営や体制面などの諸事情により、対象者の紹介については困難となったという回答を得たケースがあった。さらに、調査対象者の紹介先の施設・団体等への依頼契約において同意を得た場合でも、調査対象者自身への連絡等のアクセスが困難となるケースもあった。このように、前回実施した31人を対象とした「追調査」の遂行には課題が生じてきている。研究実施計画では、このような場合が生じることも予測しており、研究計画を修正・見直すこととしているため、その検討にも時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、計画に即して、以下の内容を推進する予定である。 平成26年度に依頼・契約の同意を得た施設等を対象に、調査対象者の紹介を得て、順次、インタビュー調査(「追調査」)を実施する。 調査対象者からは、前回の調査実施時に、「追調査」に関する内諾を得ているが、数年間経過していることを踏まえ、今回調査実施に関する依頼と同意・協力に関しては、十分な配慮のもとに説明を行い、調査協力の承諾を得るよう努める。調査対象者とは、書面において契約を結ぶ。契約には、調査内容及び研究倫理の遵守に関する内容を記し、わかりやすく説明する。なお、調査対象者に関する情報を、調査対象者が生活/利用していた施設等の職員・スタッフ等から得る場合には、予め調査対象者からその旨の承諾を得ることとし、個人情報の保護に十分留意する。 また、調査対象者の紹介を得ることが困難になった紹介先についても、引き続き社会的養護に関する専門的知識の提供を得る等の本研究への協力依頼を行う予定である。研究期間全体のなかで、今後、対象者紹介に関する体制や条件が整うなどの可能性もあり、柔軟に対応する予定である。 なお、調査対象者紹介先の施設等のなかには、「追調査」となる対象者以外に、新たな紹介についての提案も受けており、調査研究全体の設計と構想及び調査計画において、今後検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究目的の達成度における自己点検による評価に記した通り、研究実施計画において、当初予定していた調査対象者へのインタビュー調査の実施が、次年度以降になったため、専門的知識の提供に関する謝礼金の捻出がなされなかった。また、調査対象者紹介予定先の一部について、契約依頼内容が先方の事情で変更となったため、予定していた額が減額された。さらに調査実施に関する旅費の支出額も抑えられた。これらの理由により、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
先述の理由から、次年度の研究計画では、インタビュー調査の実施が具体的に予定されており、それに伴う旅費等も計上する必要があるため、次年度使用額として組み込む必要がある。
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