2015 Fiscal Year Research-status Report
一般就労における知的障がい者の早期離職を抑制するシステムの構築に関する研究
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26380811
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
福井 信佳 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (50727708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大歳 太郎 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336483)
橋本 卓也 大阪保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (70559187)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知的障がい者 / 職場定着 |
Outline of Annual Research Achievements |
筆者らは,知的障がい者の離職を予防し職場定着を実現していく支援システムを構築していく方法として,まず①離職に影響を及ぼす要因を抽出し、それに基づく支援の実態および課題を検証すること,②支援機関との連携のあり方等について検討すること等を実証的に明らかにしていく研究を行っている. その過程に中でまず知的障がい者の離職に影響を及ぼす要因を分析し知的障がい者の離職に影響を及ぼす要因として「療育手帳の等級」,「一人暮らしか否か」,「仕事上の相談者の有無」,「製造業であるか否か」,「収入」,「一週間の就業日数」の6項目が抽出されたことを明らかにした。次に職場定着に影響を及ぼす要因について分析を行い、知的障がい者の職場定着に影響を及ぼす要因は,「収入」,「人間関係による離職経験の有無」,「転職希望による離職経験の有無」,「就職後の支援の有無」の4項目であることを明らかにした。次にこの結果に基づいて、昨年度は職業訓練指導者についてインタビュー調査を行い、現在分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究の目的は、一般就労における知的障がい者の早期離職を抑制し職場定着できる支援システムを構築するための支援及び連携の在り方を検討することである。 1年次には、知的障がい者に対するアンケート調査を実施あひ、対象者を入職後の勤続期間から早期就業群、長期就業群を定義し早期離職に影響を及ぼす要因、つまり職場定着に影響を及ぼす要因を分析した。 現在、職業リハビリテーション等、知的障がい者の就労支援の現場で働いている指導員へのインタビュー調査を実施する。具体的には、大阪市職業リハビリテーションセンターにおいて知的障がい者等の就労支援を行っている指導員10名に対し、半構造化面接によるインタビュー調査を実施する。インタビューから析出された内容については、修正版グラウンデッド・セオリー(Modiffied Grouded Theory)を用いて分析を行っているところである。この調査においては、職場定着を念頭においた就労支援・訓練等の実際と就労後の職場定着にむけた専門職の支援の実態及び課題(障がい者雇用制度の問題点、企業-本人のマッチングの判断、相談支援のポイント、継続したモチベーション維持への支援、企業側との環境調整と信頼形成、他機関との連携)等を明らかにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年次までには知的障がい者雇用を積極的に推進している一般企業の事業主及び障がい者雇用担当者、現場の同僚の社員等10名に対し、半構造化面接によるインタビュー調査を実施する。ここでは、知的障がい者の職場定着率の要因、定着率向上に関わる企業努力や工夫及びポイント、また、仕事習得等に関わる環境調整や他の従業員等との人間関係形成やコミュニケーションの工夫等の実践内容や遂行上の課題について明らかにするとともに支援という相互作用的実践を通して雇用主・障がい者雇用担当者等に醸成される知的障がい者本人に対する心理的変容についても分析を試みる予定である。 対象者および支援者である職業リハビリテーションセンターの指導員、受け入れ企業である雇用主・障がい者雇用担当者等へのインタビュー調査を通して、現在の日本の障がい者雇用制度の問題点や受け入れ企業が抱える課題、支援機関との連携のあり方等について言及する。
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Causes of Carryover |
研究最終年次には知的障がい者雇用を積極的に推進している一般企業の事業主及び障がい者雇用担当者、現場の同僚の社員等に対してインタビューを行うため、その謝金、テープおこしにかかる費用を残しておく必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通り28年度は、一般企業の事業主及び障がい者雇用担当者、現場の同僚の社員等に対してインタビューを行う。
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Research Products
(4 results)