2018 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental research on effective utilization of life logs, etc. for elderly people with dementia
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26380821
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
稲田 弘子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (90331149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貫 優美子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (00369167)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症 / 生活歴 / その人らしさ / 情報収集 / 情報の共有 / 情報の連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,認知症高齢者の生活歴等に焦点をあて,生活歴等の(1)情報収集,(2)情報の施設内共有,(3)情報の施設間連携が円滑に行われるための方法論を構築し,介護者が認知症高齢者をより理解することで,「その人らしい」認知症ケアの継続を支援できるようになることである. 全国の介護保険施設の介護職員,入退所担当職員を対象に多段抽出法によるアンケート調査を実施した(平成26度~平成28年度). これらの調査結果から, ①生活歴等のアセスメントシートの作成,②高齢者自身が記載する「自分ノート(仮称)」の作成,③守秘義務の徹底を図るための教育,④施設全体で取り組むことの必要性を提言した. ①生活歴等のアセスメントシートの作成では,研究結果を基に生活歴等の項目・内容を具体的に記載し,施設間でも使用可能な様式とする.②高齢者自身が記載する「自分ノート(仮称)」では,高齢者自身が,認知症になる前から自分自身のことを書き留め,それを転居(施設・病院等)の際持参する.「その人らしいケアを受けることができる」ためだけのものではなく,書くことによって自分自身を客観的に捉え,これからの生き方を考えるきっかけになるような内容とする.③守秘義務の徹底を図るため,就職時は勿論のこと定期的に守秘義務の研修を行い,離職時には再度申し伝え,書面での署名記載の徹底をしていく.④生活歴等の情報収集を施設全体で取り組む際には,食事介護や排泄介護と同じような介護の位置づけとして捉えることや,情報自体がセンシティブな内容であるため,情報収集・共有・連携の可否は複数人で判断することが大切であり、その仕組みを施設内で作る. 本年度は3年間の研究成果を「認知症高齢者における生活歴等の情報収集の効果的な活用の開発的研究」報告書としてまとめ、アンケート調査に協力していただいた介護保険施設へ送付した.
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Research Products
(2 results)