2015 Fiscal Year Research-status Report
地域コホートデータを用いた妊娠期から思春期までの保健福祉ケアシステムの確立
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26380824
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Research Institution | Japan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
渡辺 多恵子 日本保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (30598636)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学童期の発達 / 軽度発達障害 / 行動障害 / 子ども虐待 / 育児困難 / 養育者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期から思春期までに「健康情報管理システム」上で集積すべき情報を、妊娠期、出産時、新生児訪問時、乳児健診時、1歳6か月児健診時、3歳児健診時、学童期、思春期、家族の状況に分けて整理し、「0~6歳までの情報を集積するWEBを活用した園児総合支援システム」に追加すべき情報の選定を行った。そして、選定した情報、入力したデータを瞬時に集計する仕組み、根拠に基づく「支援計画」を作成する仕組みを加えた「健康情報管理システム(以下、本システム)」を開発した。 開発した「健康情報管理システム」について、研究者、保育専門職、福祉専門職、保健医療専門職、情報工学専門職によるディスカッションを行い、本システムの内容改訂、および、活用マニュアルの作成を行った。 学童期、および、思春期の身体的、精神的、社会的健康に関連する要因の複合的な分析、とくに、妊娠期の生活や家族の状況、乳幼児期の育児環境や家族の状況の思春期への影響を明らかにすることに向けたデータ整理を行った。 昨年度に作成した「保護者支援チェックリスト」の内容を精査し、「養育者支援ツール」開発に向けた項目プールを作成した。養育者支援ツールとは、子ども虐待予防(虐待を起こす前の支援)に向け、気になる養育者を定量的に把握するとともに、子ども虐待への決定要因の把握と養育者の真のニーズの見極めに寄与するものである。 作成された項目は「①養育者評価項目プール38項目」「②妥当性評価項目3カテゴリー44項目」「③子どもと養育者の属性に関する項目7項目」「④調査対象専門職の属性に関する項目6項目」であった。妥当性評価項目は、実践の場の保育専門職の経験に基づいて作成された「気になる子どもチェックリスト」を参考に、専門職と研究者のディスカッションにより選定した。信頼性・妥当性の検証に向けた量的調査に向けた調整、準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究成果から、妊娠期から思春期までに「健康情報管理システム」上で集積すべき情報を、妊娠期、出産時、新生児訪問時、乳児健診時、1歳6か月児健診時、3歳児健診時、学童期、思春期、家族の状況に分けて整理でき、0~6歳までの情報を集積する「WEBを活用した園児総合支援システム」に、上記の情報内容を追加し、妊娠期(胎児期)から思春期までの当事者と家族の健康情報をクラウド・コンピューティング環境下で集積・活用する「健康情報管理システム(以下、本システム)」を開発したところまで順調に進んでいる。本システム運用は、自治体での運用までは及ばず、やや遅れているが、当初の計画より一歩踏み込んだ「養育者支援ツールの作成」に取り掛かることができていることから、概ね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
「健康情報管理システム」活用マニュアルを作成し、大都市に隣接する人口5,000人規模の自治体で運用する。「健康情報管理システム」を用いたケアシステムを活用した保健師へのフォーカス・グループインタビュー調査を実施し、学童期、および、思春期の身体的、精神的、社会的健康に対する保健福祉ケアシステムの妥当性を評価する。 健康情報管理システムに集積されたデータ(本研究実施以前のデータと、本研究において集積したデータ)から、学童期、および、思春期の身体的、精神的、社会的健康に関連する要因を複合的に分析する。とくに、妊娠期の生活や家族の状況、乳幼児期の育児環境や家族の状況の思春期への影響を明らかにし、妊娠期から思春期までの保健福祉ケアシステムを提案する。 アウトカム評価を反映させた、「健康情報管理システム」および、その活用マニュアルを作成し、「妊娠期から思春期までの保健福祉ケアシステム」最終版を提案する。 「科学的な根拠」として活用可能な本研究の成果を、ホームページを通して広く公開する。
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Research Products
(17 results)