2014 Fiscal Year Research-status Report
医療から福祉へと繋ぐ「がん末期包括ケアシステム」のモデル構築
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26380832
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
武田 英樹 美作大学, 生活科学部, 准教授 (90342237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 敦 奈良女子大学, その他部局等, 准教授 (10368508)
関 孝敏 北海道大学, その他部局等, 名誉教授 (30105647)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | がん末期 / ターミナルケア / 地域包括ケア / 在宅ケア / 緩和ケア / 医療福祉 / コミュニティ / 住まい |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の遂行における柱は大きく分けて次の5項目になる。1つ目は「財政面」、2つ目は「人材面」、3つ目は「在宅医療福祉関係職種の業務実態」、4つ目は「がん末期患者の住まい」、5つ目は「コミュニティ」である。 財政面においては、地域包括ケア推進に向けた在宅医療・在宅福祉の現状について、財政面と医療福祉人材面においての分析を行った。分析は主に、国、行政機関等の公表資料および先行文献をもとに、介護保険制度や医療保険制度の財政面での膨張状態を中心に整理した。人材面については、医療福祉現場の現状分析から、地域包括ケアの推進に向けたマンパワーの確保が極めて困難な状況にあることを明らかにした。これらは「保険財政と介護・医療の連携‐現場は保険制度を支えられるか」の題目により、書籍(共著)にて成果発表した。 在宅医療福祉関係職種の業務実態については、在宅ケアの実態や在宅医療体制の構築に向けて、在宅支援診療所での医師・訪問看護師の業務実態の把握に努めた。さらに在宅医療推進に向けた取り組みについて、K市医師会理事にインタビュー調査を行った。 がん末期患者の住まいについては、地域包括ケアを推進していく上での住まいの問題についても検討した。サービス付き高齢者向け住宅の実態を把握するべく、NPO法人およびH市との連携により、市内のサービス付き高齢者向け住宅を運営する事業所に呼びかけ、意見交換会を開催した。 コミュニティについては近年、各地で開催されているカフェ型コミュニケーションの実態について、医療福祉をテーマとしたカフェの取り組みに参加し、実態把握に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
在宅支援診療所においてのインタビュー調査を進めていく過程で、当初に想定していたがん末期患者のアンケートに調査項目について、精査していくことが本研究の遂行に有益であると考え、現在、調査対象、調査項目について再検討しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目は本格的に調査を進めていく。視点として、がん末期患者に対する「医療福祉サービス」「住まい」「コミュニティ」の枠組みでアプローチしていくこととする。、 引き続き、在宅支援診療所における在宅医療の実態について、医師、訪問看護師等の関係職種へのインタビュー調査により業務実態の把握に努める。同意を得ることができれば、がん末期で在宅療養している患者家族に対するインタビュー調査も検討している。 サービス付き高齢者住宅を運営する事業所に対して運営実態について、ケアマネジャーに対するがん末期のサービス利用者のサービス利用のあり方について等のアンケート調査を実施していく。 さらにH県内のホームホスピス等の住まいの提供実態についても視察調査を進めていく。 また、がん末期患者を支えるコミュニティの構築については、各地で進められているカフェ型コミュニケーションの取り組みについて調査を進めていく。
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Research Products
(1 results)