2015 Fiscal Year Research-status Report
話し手の外見的魅力が欺瞞性認知に及ぼす影響-認知および神経基盤からの検討-
Project/Area Number |
26380850
|
Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
村井 潤一郎 文京学院大学, 人間学部, 教授 (50337622)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野瀬 出 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (60337623)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 欺瞞性認知 / 魅力 |
Outline of Annual Research Achievements |
送り手側の外見的魅力が,受け手側の欺瞞性認知に影響を及ぼすことが示唆されている。本研究は,社会心理学的実験,およびfMRI実験の両方を用いて,欺瞞性認知とその脳内メカニズムについて検討を行うものである。fMRI実験遂行のためには,良質な実験刺激(映像刺激)を作成することが必須である。村井・野瀬・坂井(2013)において,収録した3名の映像刺激の魅力度,欺瞞度について検討するも,高魅力条件・低魅力条件間で,欺瞞度得点の平均値差は認められなかった。そこで,新規の3名のモデルに対して映像刺激そのものを撮り直した上で,大学生85名に対して集団実験形式にて映像刺激を呈示,欺瞞度に関するデータを収集した。村井・野瀬・滝口(2016)において,本データについて再分析を行ったところ,いずれのモデルの魅力度についても,高魅力条件が低魅力条件よりも有意に高いことが示された。すなわち,懸案だった魅力度の操作に成功したことになる。青年期女性では,化粧を用いた低魅力化が困難であることを確認していたことから,魅力度の操作の成功は一定の成果ではあるが,高魅力・低魅力条件間の欺瞞度の差は全般的に小さいものであった。とは言え,有意差が認められた数か所では,概ね「高魅力条件<低魅力条件」となっており,魅力的でないほど欺瞞的という方向性が微弱ながらも認められたことは注目すべき点であろう。モデルの魅力度の操作を精緻にすること,質問内容を改善すること,評定項目を改善すること,などの点を考慮した上で,映像刺激の収録,実験の遂行を重ね,fMRI実験につなげたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
刺激映像について,魅力度の操作チェックには成功したものの,両条件間の欺瞞度の差が全体的にあまり認められず,fMRI実験用の刺激を決定できていない。さらに,新規の映像刺激の作成にも難航している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究を学会発表したが,そこで受けたコメントをもとに,刺激の精査に入る。さらに,新規刺激の収録については,外部の専門業者に発注することで,所要時間の短縮化を図る予定である。
|
Causes of Carryover |
映像刺激の収録,およびそれを受けての心理実験遂行,データ分析に時間を要し,fMRI実験にまで至らなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
映像刺激の再収録,データ分析を取り急ぎ行い,fMRI実験につなげる予定である。
|
Research Products
(3 results)