2016 Fiscal Year Research-status Report
話し手の外見的魅力が欺瞞性認知に及ぼす影響-認知および神経基盤からの検討-
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26380850
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
村井 潤一郎 文京学院大学, 人間学部, 教授 (50337622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野瀬 出 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (60337623)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 欺瞞性認知 / 外見的魅力 |
Outline of Annual Research Achievements |
送り手側の顔の外見的魅力が,受け手側の欺瞞性認知に影響を及ぼすことが示唆されているが,この点について検討するためには,まず魅力度の操作が重要になる。実験刺激作成および欺瞞性認知の検討のために実施された以前の研究では,魅力度に関する実験操作自体が成功しなかった。この原因としては,低魅力条件が,実験者が想定するほどに低魅力にならなかったことが挙げられる。そこで,実験刺激(映像)を再録し,魅力度に関する操作の成功を目指すとともに,高魅力条件・低魅力条件間の欺瞞度の差異について再検討した。すなわち,女性モデル3名に対し,質問内容を伝え,初対面の異性に好印象を抱かせるような回答の入力を求めた上で,各モデルに高魅力・低魅力両条件の化粧を順に行い,入力した回答を高魅力条件・低魅力条件にて同じように発言するよう求め撮影した。以上の刺激を用い再度集団形式の実験を遂行したところ,魅力度の操作には成功したものの,条件間の欺瞞度の差は全般的に小さいことが分かった。これを受け,新規の女性モデル4名に対して再度刺激の収録を行い,刺激の精査,編集を行った。さらに,実験で用いる質問紙記載の欺瞞度,魅力度,両方の評定項目を改訂し,評定者の個人特性について測定する項目を加え,評定者への教示も改変した上で,実験に備えた。魅力度の操作の成功は大前提として,欺瞞度の条件差が見出された映像刺激がいくらかでも同定できれば,これらの刺激を今後の実験に使用することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
映像刺激の作成が,当初の予想よりもはるかに困難であることが,複数の実験を通して明らかになったため。従って,映像の収録,編集,実験の遂行,データ解析,という一連のプロセスを何度か繰り返している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
新規に作成した映像刺激を用いて集団形式での実験を再度行うが,その分析結果次第では,プロのモデルを用い,言語的行動・非言語的行動を的確にコントロールした映像刺激を再度作成することも考えている。また,これまで発表していない学会にて本研究を発表することを通して,刺激作成について有益な意見を収集することも考えている。さらに,当初の予定にあったfMRI実験の遂行が困難になった場合には,代替としてアイトラッカーを用いた実験遂行も考えている。
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Causes of Carryover |
映像刺激の作成に際し,失敗を繰り返したため。刺激作成,編集,実験実施,分析,のプロセスを何度か繰り返しているのが現状である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
映像刺激の作成,実験実施,分析を新規に行い,結果について学会発表を行う。刺激完成後,可能な範囲で,fMRI実験,あるいはアイトラッカーを用いた実験を遂行する。
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