2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of speakers' physical attractiveness on perceived deceptiveness: Cognitive and neural mechanisms.
Project/Area Number |
26380850
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
村井 潤一郎 文京学院大学, 人間学部, 教授 (50337622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野瀬 出 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (60337623)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 欺瞞性認知 / 顔の魅力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,話し手の外見的魅力,特に女性の顔の魅力に着目し,心理実験,およびfMRI実験を用いて,欺瞞性認知とその脳内メカニズムについて検討を行うことを目的としていた。実験遂行において最も重要になるのが,質の良い刺激の作成である。複数の女性モデルについて,化粧を用いることで高魅力条件,低魅力条件の両条件を構成し,それぞれの条件においてビデオカメラの前で同一の話をすることを求め,その様子を録画し,編集した映像刺激を実験参加者に呈示し,魅力度,欺瞞度などについての評定を求めた。その結果,まず何より両条件間で魅力度に関する操作チェックを成功させることに難航した。そのため,別の女性モデルについて映像を撮り直し,再度同様の実験を行った結果,魅力度の操作チェックには成功するも,条件間での欺瞞性認知の差を見出すに至らなかった。そこで,再度別の女性モデルに対し同様の方法で映像を撮り直し,最終年度において同様の実験を行った結果,魅力度の操作チェックに概ね成功し,またいくつかの刺激において欺瞞度の条件差が認められた。仮説を明瞭に支持する結果ではなかったものの,部分的にではあれ,女性の顔の魅力が高いほど欺瞞性認知が低いことが立証された意義は大きいと考えている。当初の研究計画では,これらの刺激を用いて,魅力と欺瞞性認知に関する脳内メカニズムについてfMRI実験によって検証する予定であったが,道半ばで研究期間終了となった。しかしながら,これまでの先行研究の多くが,高魅力条件,低魅力条件それぞれに別々のモデルを使用しているのに対し,本研究では両条件とも同一モデルを用いることで交絡を防ぐことに成功している。この点は,欺瞞性認知研究のみならず,他の対人認知研究などにも資するものであり,今後につながる成果である。
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