日常的防災教育プログラムの開発に関する研究

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26380862
• Research Institution: Nara University
• Principal Investigator: 西道 実 奈良大学, 社会学部, 教授 (50280110)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 防災教育 / 防災訓練 / 特別教育

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、災害時に必要とされる諸能力（状況に応じた情報収集力と判断力、主体的な行動力および協働的意識など）の向上を、家庭、学校、職場、さらには地域社会における日常的な活動に無理なく取り入れる方策について検討し、行動コスト（手間感や負担感）を意識することなく実践できる防災教育プログラムを開発することにある。
本年度は、主に小中学校で実施される防災教育やキャリア教育などの特別教育を中心にして、防災教育プログラムの事例を広く収集し、災害時における主体的な取り組みを重視する観点から、防災教育課題の整理・分析を実施した。
また、被災経験を持つ個人や団体が主催するワークショップなどへの参加や取材を通じて、それらの主催者がこれまで蓄積してきた災害時に有効な行動事例を収集し、災害時に日常での備えがどのように活かされるのかを探ることで、日常と非日常との接合点を探り、防災教育課題を検討した。
その他、直接的な取材や訪問、面接やインタビューでは収集しきれない事例については、Web上での事例収集を行い、事例の量的な補足を行った。具体的には、Web上で公開されている小・中学校の防災教育やキャリア教育などの特別教育を対象に、Web上で入手できる限りの概要や詳細について収集し、それらを整理・分析し、日常的な文脈で取り組むことの出来る防災教育課題を検討した。
さらに、さまざまな個人や組織、機関や団体が開発した防災ゲームや防災トレーニングプログラム、防災ハイキングプログラムや防災キャンププログラムなどの事例も収集し、日常的な文脈で取り組むことの出来る防災教育課題を検討した。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の目的は、防災教育プログラムの事例を広く収集し、災害時に主体的な取り組みを重視する観点から防災教育課題の整理・分析を行うことにあり、この点についてはおおむね目的を達したと考えている。

Strategy for Future Research Activity

現在のところ、おおむね研究計画通りに進展している。また、今後の研究計画についても見直す必要が生じていない。そのため、今後も研究計画に従い丁寧に研究を進めて行く。