2014 Fiscal Year Research-status Report
キャリア発達における将来目標の役割と心理的適応への影響過程の解明
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26380866
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
櫻井 茂男 筑波大学, 人間系, 教授 (50183819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 高志 高知工科大学, 工学部, 准教授 (90725938)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 将来目標 / キャリア教育 / 尺度作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度では、子ども用の将来目標尺度の作成が行われた(研究1-1)。この尺度は、人としての成長や社会貢献に価値を置く内発的将来目標と、金銭的成功や社会的名声の獲得に価値を置く外発的将来目標の二つの下位尺度から構成されるものである。 大人を対象とした先行研究の尺度およびその尺度の開発者からのアドバイスを基に、36項目からなる仮尺度を作成し、これを小学5年生から中学3年生までの約1300名に実施した。得られたデータに対して、因子分析を行った結果、内発的将来目標と外発的将来目標の二つの因子が抽出された。またこの因子分析の結果と平均値および標準偏差の値に基づき、尺度項目の厳選が行われ、8項目が削除された。現時点では28項目から成る尺度として、今後の研究でも使用することが決定している。 また、この尺度は、高校1年生約250名にも実施された(研究2-1)。この調査では、進路意識やリーダー志向性も取得されており、今後、それらと内発的将来目標および外発的将来目標との関連を検討する予定である。現在、データの入力作業が行われている。 平成26年度に実施された研究の意義および重要性は、次の通りである。すなわち、子ども用の将来目標を測定する尺度が開発されたことにより、次年度以降の研究の礎が築かれたことである。海外の先行研究においては、あまり着目されてこなかった子どもの将来目標ではあるが、我が国のキャリア教育では、小学生から職業選択に直面する高校生ならびに大学生を対象としたキャリア発達に根差した視点が求められている。このような新たな視点を導入し、それを実現するための手法を開発した本年度の試みは十分な意義があったと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に実施を計画していた研究1-1と研究2-1に関する調査を実施することができた。研究2-1についてはデータの入力の段階であるが、すでに見通しは立っており、今後の研究に支障はでない。そのため上記評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、本年度に作成された尺度を基に、学業適応や友人関係の問題との関連を検討していく。また、親の養育態度や将来目標との関連についても検討する。27年度からは、得られた成果を学会発表などで積極的に発表していく。
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Causes of Carryover |
原因の一つは、データの入力の際に入力者を募集していたが、年度内に予定していた入力作業が開始されなかったことにある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に持ち越された分については、本年度と同様にデータ入力の謝金として使用計画に組み込む予定である。
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Research Products
(1 results)