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2014 Fiscal Year Research-status Report

教職への意思決定における内的ワーキングモデル理論の構築-社会心理学視点も加えて-

Research Project

Project/Area Number 26380880
Research InstitutionShiga University

Principal Investigator

若松 養亮  滋賀大学, 教育学部, 教授 (50273389)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords大学生 / 教育学部 / 教職志望 / 進路意思決定 / 内的ワーキングモデル / 他者との相互作用 / 社会的比較
Outline of Annual Research Achievements

まず1年次生に対して量的な調査を行った。当初実施予定の授業が年度前半に移動したため、自由記述を含めた設問は外すこととなったが、教職志望に対する内的ワーキング・モデル尺度、および同級生・先輩との日常的な相互作用の設問、社会的比較を中心とした動機づけに関わる設問の3側面に渡った調査において、235名の有効回答を得た。その結果、上記の3側面はいずれも教職志望意識の高低や、その入学時からの変化に関連があること、また内的ワーキング・モデルの各下位側面は、同級生等との日常的な相互作用とも社会的比較を中心とした動機づけとも関わっており、それらの他者からの影響ややりとりのなかで形成される可能性が示唆された。
次に承諾した2年次生の学生13名(男性1名、女性12名)に対する面接調査を行った。教育実習が未経験な彼らは、報道されたり先輩から聞いたりする学校現場の大変さや種々の問題に対して不安を感じながらも、他の選択肢を積極的に探索する行動はほとんど見られず、1日程度の子どもとの交流で「かわいかった」「感謝してもらえてうれしかった」という素朴な経験から教職志望を持ち直す傾向が見られた。また「教科教育法」の授業を受けるなかで、授業や教具をつくることの面白さから教職志望の気持ちを高めていく。他方、同級生間での模擬授業の巧拙を目の当たりにして「教師に向いていない」と悩む。他の職業の選択肢に不案内な彼らは、通常の学校教員では責任を負いきれないと感じた場合、不登校や少人数指導であればできるのではないかと考えるケースも複数見られた。
量的調査とも符合するが、教職志望意識は「子どもがかわいい」という素朴な経験から容易に高揚する。他方、一時点の不成功経験もまた、その後の変化・上達に期待することなく、志望の気持ちは低下する。教育実習のように長期間の経験前の特徴かもしれないが、今後注視していく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

教職志望に関する内的ワーキングモデル尺度、同級生・先輩との日常的な相互作用の設問、社会的比較を中心とした動機づけに関わる設問の3つの側面については尺度を作成した。ただし下位尺度単位でみると内的整合性が低いものも少なくないことから、さらに精錬していく必要を感じている。当初予定していた自由記述による設問ができなかったことから、別のルートで行った調査を再分析することで、それに充てたい。

Strategy for Future Research Activity

26年度に得られた研究成果をもとに、27年度の2年次生調査に向けて、内的ワーキング・モデルや社会的な相互作用および動機づけについて仮説を洗練させ、27年度向けの調査用紙を作成する。特に根幹となる内的ワーキングモデルについては、同モデルを用いた他の研究報告を再度検討し、キャリア選択に適用する場合の特異性について、年度の前半に検討を行う。
続いて次年度に量的調査を行う3年次生について、26年度と同様に面接調査を行い、2年次生との差異やその変化について事例的検討を行う。それによって仮説を洗練させ、2年次生を対象とした量的調査と併せた分析を行う。

Causes of Carryover

差額は、物品が当初の予定より安く購入できたこと、ならびにデータ入力に想定していた人件費が、自由記述データがなくなったことによってそれほど使用しなかったこと、その他では面接調査の対象者が想定していたほど集まらなかったために謝品代が安価に済んだことに依る。

Expenditure Plan for Carryover Budget

文献の購入と今年度分の面接調査の謝品代に加える予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 大学生の進路意思決定における教職に関わる阻害的要素への対処2014

    • Author(s)
      若松養亮
    • Organizer
      日本教育心理学会第56回総会
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場
    • Year and Date
      2014-11-07 – 2014-11-09
  • [Presentation] 教職志望意識研究と授業での活用2014

    • Author(s)
      若松養亮
    • Organizer
      日本教育心理学会第56回総会
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場
    • Year and Date
      2014-11-07 – 2014-11-09
    • Invited
  • [Presentation] 教職への肯定感情と進路意思決定2014

    • Author(s)
      若松養亮
    • Organizer
      日本心理学会第78回大会
    • Place of Presentation
      同志社大学今出川キャンパス
    • Year and Date
      2014-09-10 – 2014-09-12

URL: 

Published: 2016-05-27  

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