2018 Fiscal Year Annual Research Report
Inner working model for career decision making of teaching profession.
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26380880
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
若松 養亮 滋賀大学, 教育学部, 教授 (50273389)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 進路意思決定 / 教職 / 教員養成学部 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの縦断調査からは、内的ワーキングモデル(以下、IWM)の効力が限定的であり、上の学年になると相対的にその予測力が低下していたことから、その説明を補う要因や背景を明らかにするために、3年次生と4年次生各15名に面接調査を行った。 3年次生には、対象者を広く集めるために、進路の相談に乗るという形で希望者を募った。また4年次生には「迷った末に教職を選択した(またはしなかった)学生」か、「教職志望であった(またはなかった)が、実習を機に、志望をやめてしまった(または教職を選択した)学生」という条件で斡旋された卒論生を対象とした。 その結果、確かにIWMが教職志望に関わることを裏付ける報告は多かった。教師は仕事が多いがそれが給与面で報われないことや教師ならこうあるべきという社会からの縛りがきついといった職業への不信、実習先の教員の指導方針に納得がいかない、モデルとした教員が輝いていたという他者(同僚)への信頼・不信、社会的比較によって自己の能力に自信を失ったり、サポーター経験を通して教育実習よりうまくできたといった自己への信頼・不信などである。他方、IWMが充分高くなくても教師を志望する背景として、教職以外の選択肢の情報が充分に集まらないうちに決断の時期が来てしまったこと、周囲の友人の多くが教師を目指すことで自分もその流れに乗ってしまったこと、学校で実現したい問題意識があることが挙げられる。またIWMが高くても教師を志望しない背景として、校種・教科による採用数の少なさと経済的事情(講師を続けていけないこと)、教師として自分がしたい仕事が限定的である(例えば特別支援学級担任)ことがあった。 本研究の申請時からIWMと並んで着目していた社会心理学的な要因については、上記の社会的比較、友人からの影響、友人との協同による動機づけなど、その重要性を裏付けるケースが見出された。
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Research Products
(2 results)