2016 Fiscal Year Annual Research Report
Marital commitment and psychological well-being
Project/Area Number |
26380900
|
Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 裕子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (50296357)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相良 順子 聖徳大学, 児童学部, 教授 (20323868)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 夫婦関係 / 結婚コミットメント / 中高年期 / ジェネラティビティ / 心理的健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年におけるわが国の長寿命化は著しい。子どもが離家した後は夫婦二人で過ごす世帯が増加している。日本において、これまでもっぱら親子関係が中心で、夫婦関係に関する研究は非常に少なかった。本研究では中高年期を主な対象に、結婚の意味、すなわちなぜ離婚しないで結婚生活を続けているのか、結婚コミットメントを中心に、比較対象としての子育て期からもデータを取りながら、成人期の課題であるジェネラティビティに結婚コミットメントがどのように影響しているかも明らかにした。 26年度は、その前年に本学の共同研究費で得た中高年期のデータに、特に高齢期の夫婦を600名ほど加え、約1500名の中高年期夫婦からデータを得た。結婚コミットメント尺度を作成し、人格的コミットメント、諦め・機能的コミットメント、規範的コミットメントの3次元から成ることが明らかとなった。夫婦関係における親密性と機能性が抽出され、しかも日本の中高年に特徴的な道徳や信義に基づく規範的な側面が抽出された。 27年度は、離婚をテーマに、特に児童期の子どもがいる夫婦600名を対象に、先の結婚コミットメント尺度に子どもに関する項目を加え、子育て期の結婚コミットメント尺度(先の3因子に加え、「子の存在コミットメント」が抽出)を作成し、中高年期の結婚コミットメントと比較した。やはり、若い世代では、規範的コミットメントが著しく低く、一方、人格的コミットメントでは世代による違いは見られなかった。 28年度は、結婚コミットメント尺度の妥当性をみるため、配偶者をどのように意味づけているか、(夫婦の)関係性の視点から文章完成法により150人ほどの男女からデータを得た。 これらについては、すでにいくつかの学会発表を行い、また学会誌にも掲載され、公開促進費を用いて著書としてまとめる予定である。
|