2014 Fiscal Year Research-status Report
成人期女性の生きがい感形成プロセスの実証研究:ライフコースの現状と希望の観点から
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26380911
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
熊野 道子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (20413437)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生きがい / ikigai / 高齢者 / 成人女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、成人期女性が生きがい感を形成する心理プロセスを、これまでに構築してきた時間と状況の2次元からみた生きがい形成の価値過程モデル(生きがい形成モデル)を適用して明らかにすることである。上記の目的を達成するために、平成26年度においては、下記3つの観点から研究を行った。なお、これらの一部について、研究論文として発表した。
(1)生きがいの基礎研究<生きがい(ikigai)の定義と研究動向についての文献研究>:ikigaiと表記した心理学・教育学・医学系の英語論文を対象として、生きがいという概念が、日本からどのように海外に発信されているか、また海外でどのように論じられているかの文献研究を行った。具体的には、ikigaiと表記された心理学、教育学、医学系の英語論文について、国内外からの発信状況、研究動向、ikigaiの定義を明らかにし、研究論文として発表した。(熊野『大阪大谷大学紀要』2015) (2)生きがい形成モデルの有用性に関する事例研究:高齢者の事例に生きがい形成モデルを適用して考察し、生きがい形成モデルの有用性を検証した。生きがい感を高く感じている高齢者の事例を検討し、生きがい形成モデルの「価値受容プロセス」と「価値付与プロセス」を経て「状態としての生きがい感」を高く感じることについて考察を行った。(熊野『生きがい研究』2015印刷中) (3)成人期女性の生きがいに関する文献研究:生きがい形成モデルを成人期女性に適用するために、成人期女性の生きがい感・幸福感や仕事や子育て環境に関する文献収集や事例収集を行い、文献や事例の解析や評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに構築してきた生きがい形成モデルを生きがい感の高い高齢者の事例に適用し、生きがい形成モデルの有用性を検証した。また、成人期女性の生きがい感・幸福感や仕事や子育て環境に関する文献や事例の解析や評価を行った。これらをもとに、成人期女性の生きがい形成モデルに関する調査を行う準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
成人期女性の生きがい形成モデルに関するウェブ調査を行う。調査データに対して統計解析を行い、研究発表を行う。
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Causes of Carryover |
一部の統計ソフトの購入の検討に時間がかかっているからである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
文献研究、調査研究、学会等の研究集会への参加にかかわる費用が中心となる。
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