2014 Fiscal Year Research-status Report
子どもの適応的な算数問題解決能力を育むメタ認知方略活性化システムの開発
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26380912
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Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
多鹿 秀継 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (30109368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津 楢男 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90133131)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自己説明 / メタ認知方略 / コンピュータ利用教育 / 算数文章題解決 / 児童 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は以下の3点(①-1、①-2、②)を実施し、次年度以降の具体的な研究を実施するためのセッティングができた。 ①例題学習ツールの改良 ①-1:例題学習ツールに含む算数文章題を1つの教科書からだけでなく他の教科書からの文章題も参考にするために、以前の研究に用いた啓林館の5年生と6年生の算数教科書に含まれる算数文章題だけでなく、東京書籍の5年生と6年生の算数教科書に含まれる文章題の分析も並行して行った。その結果、「少数の除法に関する問題」、「連立方程式の解決につながる問題」、「逆向きの思考を利用し方程式のつながる問題」、「2次元表の作成と読解に関する問題」、および「割合の問題」の5タイプの問題群から、いくつかの問題を取捨選択して例題学習ツールに含む算数文章題とした。 ①-2:選択された文章題の解決過程をより解きやすい形式に改良するために、いくつかの文章題において解決のステップ数を増やした。また、それらの各解決過程に対する解答を3~4つの選択肢群として用意した。学習者は各解決ステップの問題を自己説明するかわりに、選択肢群から正解を選択させるようにした。こうして、改良した例題学習ツールを作成し、それらをメタ認知方略活性化システムとして、新たにタブレット型端末のコンピュータにインストールできるように、以前と異なる新たなプログラムを開発した。 ②文献研究:児童のメタ認知方略として自己説明を使った文献を渉猟し、それらの成果をメタ認知方略を含む学習環境に関する2つの紀要論文としてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は先行研究で使用した算数文章題を改良することで例題学習ツールを作成する予定であったが、研究を実施する小学校で試験的にタブレット型端末を使用したい旨の話があり、先行のプログラムを全面改良することとなった。その結果、プログラムが作成できたのが3月下旬であり、まだ完全にプログラムのチェックを終えていない。それゆえ、「おおむね順調」と回答した。
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Strategy for Future Research Activity |
①3年計画の2年目は、小学校に行き、5年生を対象に、1学期の終わりころに例題学習ツールを用いたタブレット型端末のコンピュータ利用の実証的研究を実施する。その後、2学期、3学期と、同じような研究セッティングによって、学習の実証データを得る。 ②3年計画の最終年は、6年生になった児童に、1学期と2学期に、5年生時と同様の研究を実施し、3学期は研究成果のまとめを行う。
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Causes of Carryover |
タブレット型端末のコンピュータを使って小学校で研究するため、児童数が30名を超える学級の児童対応として、少なからずタブレット型端末のコンピュータを購入する必要が生じたこと。小学校ではタブレット型端末のコンピュータを用意できないとのこと。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
タブレット型端末のコンピュータの現在の在庫数は十数台である。これに7~8台程度をプラスすることで、各クラスの児童2名に1台の貸与が可能となる。
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Research Products
(3 results)