2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of a dementia screening program in the community meeting
Project/Area Number |
26380928
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
竹田 伸也 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00441569)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知症 / 包括的認知症検診プログラム / 認知症検診受診意図 / 認知症予防 / 早期発見 / 臨床心理学的地域援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず認知症検診の受診意図に影響を与える要因について、主に認知的変数に焦点を当てて検討した。調査の結果、受診意図の高い人(高群)は110人、受診意図の低い人(低群)は234人であった。分析の結果、重大性の認知(オッズ比:5.7,95%信頼区間:3.0-11.0)と予防習慣の知識(オッズ比:2.0,95%信頼区間:1.2-3.4)が、受診意図に有意な影響力を持っていることが示された。認知症検診の受診意図を高めるには、認知症に罹患することで重大な結果を招くことの心理教育と、認知症の危険因子と防御因子の生活習慣の普及を図ることが有効な対応となる可能性があることが示唆された。 次に、認知症の早期発見と予防を考慮した包括的認知症検診プログラムを開発し、その有用性について検討した。本プログラムは、竹田式三色組合せテスト、立方体模写、認知症の初期症状の質問からなるパートと、認知症のリスクを高める生活習慣を問うパートから構成された。本プログラムの特徴は専門家でなくても実施できること、認知機能の低下の有無から認知症予防の習慣まで、結果に応じたフィードバックが構造化されていることである。65歳以上の197人を対象とした。本プログラムによって陽性と判定されたのは32人(16.2%)、陰性と判定されたのは165人(83.8%)であった。陽性と判定された人のうち医療機関に受診した人は4人で、2人が認知症、1人がMCIと診断された。平成26年度の本邦における65歳以上高齢者の認知症有病率は15%であり(厚労省,2014)、本プログラムによる陽性率とほぼ等しい値を示している。陽性者のうち受診した75%は認知機能障害を認めた。以上より、本プログラムは認知症検診プログラムとして有用である可能性があると示唆された。陽性判定された人を医療機関につなぎ、早期治療を行う仕組み作りが今後の課題である。
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