2014 Fiscal Year Research-status Report
マインドワンダリングと幸福感:価値とマインドフルネスによる調整効果
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26380929
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉浦 義典 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (20377609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 徳 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (00422626)
伊藤 義徳 琉球大学, 教育学部, 准教授 (40367082)
丹野 義彦 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60179926)
湯川 進太郎 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (60323234)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マインドワンダリング / 幸福感 / マインドフルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
人は起きている時間の多くを「心ここにあらず」の状態で過ごしている(マインドワンダリング)。本研究では一般には不適応的と考えられているマインドワンダリングが幸福感につながる条件を検討する。具体的には,マインドワンダリングが幸福感に及ぼす影響を,どのような条件が調整するのかを検討することを目的とした。 マインドワンダリングは,ある課題の遂行中にそこから注意が離れること,と定義されている。課題から注意が離れているときには,自己や将来に関連した思考や空想(白昼夢など)が生じている。自己注目や白昼夢が不適応につながりやすいことは知られている。しかし,自己について振り返ったり,将来について思い描いたりすることや,空想をふくらませることには重要な機能もあると考えられる。 するとマインドワンダリングの内容が幸福感に影響する重要な要因と考えられる。同時に,マインドワンダリングの内容や他の課題との関連がメタ認知的に制御されていれば問題は生じにくいと考えられるため,マインドフルネスを調整要因の候補の一つと考えた。 平成26年度は横断研究を行い,マインドフルネスの中でも自分の現在の体験を評価・批判しない態度が高くアニメやゲームの消費が少ない場合,あるいは,自分の現在の体験を評価・批判しない態度が低くアニメやゲームの消費が多い場合,マインドワンダリングが主観的幸福感につながる傾向があることが分かった。一方,自分の現在の体験を評価・批判しない態度とアニメやゲームの消費の双方が低い場合,マインドワンダリングは心理的幸福感を低めていた。 現在,これらのまたは派生的な研究の成果として,4本の論文が国際誌にて審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に,横断研究で一定の成果を出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
幸福感に関連する要因は多数あるため,予測変数を拡大した研究が重要である。また,縦断データを軸として研究をすすめたい。
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Causes of Carryover |
研究成果公表のための英文校閲費用の支出が,年度をまたいでしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
順次校閲費用として使用予定。
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Research Products
(20 results)