2015 Fiscal Year Research-status Report
心理的・社会的自立の基盤が脆弱な児童・若者への包括的支援枠組みについての研究
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26380938
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
村澤 和多里 札幌学院大学, 人文学部, 准教授 (80383090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久藏 孝幸 札幌学院大学, 人文学部, 准教授 (00451443)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自立支援 / 居場所 / ひきこもり |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成26年度の研究を継続しつつ、より実践的な研究調査に着手した。 具体的には、下記のような調査ならびに研究を行った。 1.平成26年度に行った若者自立支援実践者を対象にした聞き取り調査の内容の一部をまとめ、研究代表者が監修ならびに執筆し「ひきこもる心のケア-ひきこもり経験者が聞く10のインタビュー―」という書籍として刊行した。2.平成26年度にひきつづき北海道湧別郡遠軽町「北海道家庭学校」での実践について、心理師の姜氏の聞き取り調査を行った。3.福島県の郡山若者サポートステーションにおける若者自立支援について、代表の小林直輝氏に聞き取り調査を行った。4.全国若者・ひきこもり協同実践交流会in福島(第11回)に参加し、近年の若者自立支援の動向についての情報収集を行った。5.鹿児島県にあるラグーナ出版(精神障害者自立支援施設)において、精神障碍者の自立支援についての特異な取り組みについての調査を行った。6.北海道の地方部(ニセコ町)において、不登校児童の居場所つくりに参加、観察を行った。7.栃木県の児童養護施設「ネバーランド」において、児童の養育環境とネグレクト状況のおよぼす心理的影響と、そのような児童たちの社会的自立支援の課題について聞き取りを行った。8.不登校からひきこもりに至る問題の発生と進展にについて、心理学、社会学、教育学にまたがる資料を収集し、レビュー論文を執筆・投稿した(審査中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、2年目には実践的な研究に着手することができた。 また、児童養護施設を対象にした調査のための準備も進みつつあり、研究は進展しているといえる。 平成28年度は、調査でえられたデータを整理し、理論的な検討を加えた上で、学会発表や論文執筆を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目には、2年目までの研究成果を論文としてまとめ公表していく予定である。ひきこもり支援についての事例論文、ひきこもりの居場所支援についての論文、児童養護施設に関する論文を予定している。 また、平成27年度より開始した北海道地方部の不登校児童の居場所つくりの実践的研究についても推し進める。 児童養護施設の支援課題について、アンケート形式の調査を行い、検討を行う。調査内容としては、虐待の背景がどのような心理発達上の課題をもたらすのか検討するものを予定している。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、研究代表者が学科長に就いていたため、予定していた研究調査の一部を行うことができなかった。平成28年度は学科長を解かれたため、拘束時間が少なくなり、調査を重点的に行う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に行うことができなかった児童養護施設を対象にした調査を行う予定である。 また、不登校児童の居場所支援の実践的調査についても回数を増やして実施していく予定である。
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Research Products
(2 results)