2014 Fiscal Year Research-status Report
アタッチメント理論に基づくビデオ育児支援法の介入効果の検討
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26380940
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
池邨 清美(近藤清美) 東京福祉大学, 心理学部, 教授 (80201911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 美知代 静岡福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70537604)
田辺 肇 静岡大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (60302361)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アタッチメント理論 / 親子関係 / 関係性調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては,予備的な研究を行うにとどまった。その中で一つ目として,ビデオ育児支援法の手続きが,わが国の文化的状況において適合するかを検討した。その結果,親子とも,見知らない訪問者によるビデオ撮影で戸惑い,子どもがいつもとは異なる行動を示す場合も見受けられたが,そうした問題となる行動があるからこそ親に子どもの行動の意味を考えさせることができた。ビデオ育児支援法のオリジナルと若干,異なる状況が生じるとしても,この方法がわが国でも使用可能であると結論付けることが可能である。 また,二つ目として,わが国では,「甘え」の関係が親子関係における文化的な特徴であり,「甘え」を許す親の「甘やかす」行動の意味を検討することで,親子関係支援におけるわが国での独自な視点を検討した。 これら二つの研究成果について,世界乳幼児精神保健学会(World Association of Infant Mental Health)と国際子ども発達研究会(Society for Research in Child Development)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度,大学を北海道から群馬県に移したことにより,研究のための環境を整えるために時間を要した。とりわけ,研究対象者を探す点で,ソーシャルネットワークがなく,難渋した。また,静岡県の分担研究者との連絡について,土地感がなく,お互いの状況がわからないこともあって,共同してうまく研究を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度において再度,大学を移るが,今度は首都圏に移動し,そこは人が多いため,研究対象者を求めるためのソーシャルネットワークについては問題がない。様々な場所に研究の依頼を行う予定である。また,静岡県の分担研究者と都心で定期的に会合をもつことが決まり,相互の連絡についての懸念がなくなった。したがって,今後,研究対象者を広範に募集して,計画通り研究を進めていけるであろう。ただし,研究対象者の多様性を目指すことにして,数については当初の計画より抑えることを考えている。また,ビデオ育児支援法を教えたり,その研究成果を公表するための研修会を予定している。
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Causes of Carryover |
大学の移動により研究の環境が整わなかったことや分担研究者との連携がうまく行かなかったことで,研究が遅滞している。そのために予定よりも研究費を使うことがなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度において,本格的に研究を遂行する。そのため,研究費を予定通りに使用することができると考えられる。また,研究協力者を得るために,ビデオ育児支援法を一般に広める活動も行いことを考えている。そうなると連絡のための費用などが必要となり,当初予定の研究費が必要となる。
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