2014 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームとメンタルヘルスの同時予防を目指す包括型健康プログラム
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26380941
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
冨家 直明 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (50336286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 淳 長崎大学, 教育学部, 准教授 (10468324)
小川 豊太(濱口豊太) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタボリックシンドローム / 健康栄養調査 / 心理教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
最適性の高い研究協力地域の抽出と試験的調査の実施 幼保小中高成人高齢者と続く成長の過程において、切れ目のない健康支援事業の確立が求められている。北海道内N町をプレスタディとして最適な研究対象地区として選抜した。 平成26年度はN町の乳幼児検診、子供検診、成人検診、高齢者検診を総合的に監修し、とくに健康栄養に関する基礎データを中心に分析した。死亡原因の1位はがんで38.6%(全国48.3%)、心臓病31.8%(同26.6%)、脳疾患18.2%(同16.3%)であった。成人健康診断でも高血糖、高血圧、LDL患者の比率が全国に比べて多い傾向があった。高齢者健康調査においては、介護保険の1号認定率は20.6%(同19.7%)、脳疾患有病率60.3%(同56.8%)、精神(認知症)42.4%(同32.4%)であり、総じて全国に比べてメタボリックシンドロームとそれに起因する脳血管障害、認知症患者の増発が多い地域と推察がされた。また、新たに実施した子供の生活調査においては、小学生の就寝時刻が22時、中学生では22時半、高校生では23時、スマホやゲームに使う平均的な時間は2~6時間であった。3歳児検診の結果、「名前を聞くと、姓名を言えますか?」との課題に対する誤答率は平成26年度では全検診受診者の18%に達し、調査開始以後、同町内では過去最高の水準となった。特に、テレビを毎日4時間以上みる人にその傾向が多かった。10~18才のうち、やせ・やせぎみとなった者は32.3%に至り、肥満の16.1%の倍であった。夕食後の菓子の摂取を習慣化した者の割合は大人の17.3%、3才児の29.7%、1才6ヶ月児の34%になっていた。以上のことから、全世代について家庭内の食行動に関連した偏りが認められやすく、栄養摂取のアンバランスからメタボリックシンドロームを発症させている可能性が高いものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
北海道内にある179市町村のうち、心身両面にわたる健康保持に意欲的で協力的な市町村を選定し、共同研究体制を構築できることになった。一方で、計画を前倒しし、北海道教育委員会と共同研究協定を締結し、道内広範囲にわたる学校データの収集が可能となった。これにより、ビックデータより均等にサンプリングされた基準データを背景にして、特定の介入を熱心に行った市町村の介入結果の成果を比較考察することが可能な体制ができあがった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までのところ、食行動認知、コミュニケーションスキル、メンタルヘルスに関わる調査バッテリーは確立し、またもっとも困難であった調査対象地域(校)の選抜と、共同研究体制の構築が完了し、これらは大いなる進展であった。今後は本研究チームが開発してきた認知行動療法をベースにした地域介入試験の結果を明確に評価することが課題になる。ただし、介入が行われる市町村は、平成27年度4月に全国統一地方選挙が行われ、町村長の交代とそれに伴う行政担当者の交代など一時的な停滞を余儀なくされた。また農繁期を避けた介入を行うべきであるとの観点から、平成28年3月いっぱいまでをフルに活用した丁寧な介入研究を起案する予定である。
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Causes of Carryover |
分担研究者の学会参加予定を一年繰り延べすることになり、その分の費用138,784円を次年度に回す必要が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
仙台で開催される平成27年度日本行動医学会出席を予定しており、その参加費として使用します。
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Research Products
(4 results)