2015 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームとメンタルヘルスの同時予防を目指す包括型健康プログラム
Project/Area Number |
26380941
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
冨家 直明 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (50336286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 淳 長崎大学, 教育学部, 准教授 (10468324)
小川 豊太 (濱口豊太) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソーシャルスキル / コミュニケーション教育 / 自殺予防 / テレビ会議カウンセリング / 食行動 / 肥満 / 健康教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
メンタルヘルスと生活習慣病の同時予防を目指すために、総合的な認知行動的教育プログラムを開発し、若年層を対象とした介入を行うことが本研究のねらいである。メンタルヘルス対策としては喫緊の地域的課題である自殺予防に焦点を当てたストレスマネジメント型教育プログラムを用意する。環境適応にもっとも影響を与えるコミュニケーション力の向上のために学校現場で使いやすいソーシャルスキル尺度を開発した。本尺度の特徴は学校・学年段階に応じたソーシャルスキルの発達を評価できることであり、小学校低学年、中学年、高学年、中学校、高等学校の5バージョンが用意され、それぞれ専用のソフトウエアも開発された(愛称「子ども理解支援ツール「ほっと」)。「挨拶や感謝」「発言や説明」「仲間づくり」「思いやり」「拒否」「緊張」「称賛」「ルールやモラル」「助言や注意」「自律」「リーダーシップ」「学業」「相談」の13カテゴリーに即して観察または自己点検型の評価が可能である。また、認知的ストレス対処能力を測定する尺度(投稿中)、食行動認知を測定する尺度(投稿中)をそれぞれ開発しており、テストバッテリーの材料は揃いつつある。本研究の実施のために、北海道教育委員会と結んだ連携協定を活用し、道教委の事業である自殺予防教育に全面的に協力するとともに、広大な北海道の地域をカバーできるようテレビ会議を活用した支援サービスにより遠隔地にある対象者への介入もできるように整備するなど、すべての橋頭堡は築かれた。平成28年度はこれらの基盤をすべて活用して介入研究を遂行するとともに、すべての尺度、教育パッケージ、遠隔支援のガイドラインなど、研究期間終了後にも活用できる資料の公開を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は特定の市町村のみを対象にする予定であったが、北海道教育委員会の公的事業である自殺予防教育と連動することにより、地域協働型を維持しつつ、さらに広範囲な地域、対象者にメンタルヘルス、メタボリックシンドローム予防の健康プログラムを提供することができるようになった。使用する尺度は1つがパブリッシュされ、1つは修正再審査、1つは投稿中であり、いずれも実施可能な状況となった。また、尺度に対応したソフトも完成した。介入実施時期は自殺が増加した夏休み明けに焦点をあてて、平成28年度中に効果の測定を完了するとともに、研究期間が終了しても尺度などの継続的な使用を可能にするツールを残す目処がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
北海道教育委員会の公的事業である自殺予防教育と連動することにより、地域協働型を維持しつつ、さらに広範囲な地域、対象者にメンタルヘルス、メタボリックシンドローム予防の健康プログラムを提供する。 ソーシャルスキル尺度はすでにパブリッシュされ、食行動認知尺度は学会誌に修正再審査の査読中、認知的再評価尺度は投稿中である。ソーシャルスキル尺度に対応したソフトも完成している。これらを活用し、例年、子供の自殺が増加しやすい夏休み明けに焦点をあてて、対象地域・学校を抽出し、平成28年度中に教育的介入を実施、その効果の測定を完了する。さらに、本研究期間が終了しても、遠隔地支援のガイドラインやマニュアル、測定尺度などの継続的な使用を可能にする資料を残す予定である。
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Causes of Carryover |
支出予定のあった研究データ分析のための大学院生の雇用に関する謝金を支払う機会が用意できず、来年度に繰り越すことになったためそれに必要なおおよその金額が次年度使用計画となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究データの分析のための大学院生の雇用にかかる予算を年間で85,000円程度必要とする。
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Research Products
(10 results)