2015 Fiscal Year Research-status Report
記憶愁訴とメタ記憶の関係性から評価する高齢者のコミュニケーション活動性
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26380944
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Research Institution | Gunma University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
島内 晶 群馬医療福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (80610625)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 臨床心理学 / 記憶愁訴 / 高齢者 / メタ記憶 / 心理学的介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢期になると,記憶の失敗経験が多くなる。それにともない,家族をはじめとした周囲の人々から,その失敗経験を繰り返し指摘されることも増えるであろう。この指摘が高齢者をネガティブな精神状態,すなわち記憶愁訴へと導く可能性がある。本研究では,健常高齢者が他者から記憶能力低下について指摘されることが,本人の記憶に対する認識(メタ記憶)にどのような影響を与えるのかを検討することを主な目的とする。 本年度は,前年度に実施した調査結果をもとに,メタ記憶に関係すると考えられる諸側面に関して,詳細な分析を行った。その中でも,メタ記憶と「記憶の衰え自覚」の各尺度,またメタ記憶と主観的幸福感に関して,さらなる分析を行った。そして,これまでに得られた知見から,次年度予定している調査の際に実施する尺度の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,前年度実施した質問紙調査で得られたデータの詳細な分析を行い,分析はほぼ終了することができた。ただし,当初は面接調査を本年度に実施予定であったが,準備を進めていく段階で,使用する尺度についての詳細な分析および使用する尺度の再検討の必要性が生じたため,次年度に実施することにしたが,おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,より簡便に用いることができるメタ記憶尺度の開発とその実用可能性の検討をさらに進めていく。またあわせて,高齢者本人とその家族を対象に日常生活場面での記憶の失敗経験とそれにまつわるコミュニケーションパターンを面接調査にて把握し,検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は国際学会での発表費用を計上していたが,校務等の関係で2015年度に開催された国際学会のスケジュールと合わず,参加を見送った。また,研究遂行上の理由により,面接調査を次年度以降に実施予定としたため,そのために計上していた謝金,旅費,物品購入費を使用しなかった。以上の理由により,次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,研究計画遂行のために,以下の項目について研究費を使用する予定である。研究代表者および研究協力者調査旅費(約35万円),研究代表者および研究協力者成果発表旅費(約30万円),成果発表費(約20万円),調査参加者謝金(約15万円),調査等で使用する消耗品等(約5万円),資料代(約7万円),調査記録の記録媒体(約5万円),面接調査時の画像および音声録画(撮影)機材(デジタルカメラ,ビデオカメラ等)(約6万円),調査用紙収納ケース代(約3万円),運搬費(約2万円),印刷費(2万円)等。
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Research Products
(3 results)