2014 Fiscal Year Research-status Report
思春期女子における学業成績と自己概念形成プロセス-進路決定の支援に向けて-
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26380949
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
相良 順子 聖徳大学, 児童学部, 教授 (20323868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 忠義 聖徳大学, 児童学部, 教授 (80236926) [Withdrawn]
宮本 友弘 聖徳大学, 教職研究科, 准教授 (90280552)
鈴木 悦子 聖徳大学短期大学部, 保健センター, 準教授 (10352676)
家近 早苗 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40439005) [Withdrawn]
川並 芳純 聖徳大学, 児童学部, 教授 (70258953)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中学・高校生女子 / 学力 / 自己認知 / 自己評価 / 縦断研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期の女子においては、男子より自己評価が低いことが多くの先行研究で指摘されている。本研究の目的は、思春期の女子の自己概念を形成する自己認知と自己評価がどのように形成されるのかについて学業成績をもとに明らかにすることが目的である。具体的には、中高一貫校で実施されている学力テストのデータと質問紙調査結果を5年間蓄積し、どのような要因が思春期の女子の自己概念を規定するのかを明らかにし、適切なキャリアを作っていく支援のための枠組みを考案することを狙っている。 平成26年度は、5年間の縦断研究の初年度として、研究協力校である中学・高校の学力データや調査結果を蓄積するデータベースを構築した。さらに、研究協力校において夏と冬に2回調査を実施した。学力と調査結果は、データベースの中に蓄積され、蓄積されたデータのうち、分析に必要なデータをエクセルファイルに出力できるようにした。調査により得られたデータを分析した結果、自己に対する自信は中学から比較的低いままで高校まで維持されること、国語、数学、英語の学力偏差値とは関連がなく、国語、数学、英語への「得意である」という認識と弱い相関があることが明らかになった。つまり、思春期における自己への評価の様相には変化がみられないこと、また、思春期の女子においては自己評価に学力自体は影響をもたず、科目に対する主観的な評価が関係があることが示された。この結果は平成27年3月の発達心理学会で発表した。また、現在、さらにデータの分析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は予定どおり研究は進んでいる。データベースの構築に着手し、平成26年度に予定していた調査も終えた。現在はデータの解析を進めている最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、計画どおり毎年研究協力校である中学・高校で実施されている学力データを積み上げ、また、質問紙調査も実施する予定である。また、研究分担者にカウンセラーがおり、分析結果を生徒の支援にも生かす方向で研究を進める。研究成果は平成27年4月に中学・高校との第1回の研究交流会を開き、そこで発表した。今後も、中学・高校の現場の先生方との情報交換の場をもち、この研究成果を現場に還元していくつもりである。
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Causes of Carryover |
予定の使用額より42万円ほど使用額が減った理由は、当初、研究担当者2名のパソコンの購入を予定していたが、各研究者が保有するパソコンで分析することができ、新規の購入はシステム構築のための1台のみになったこと、また、調査データの入力においては、入力データが当初の予定より少なくなり、また、学生アルバイト生が予想外に早い時間に作業を終えることができたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度の国際学会の参加を2名と予定しているが、1名加えることと、データシステムの維持作業のために充てることを計画している。
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