2018 Fiscal Year Annual Research Report
Academic Achievement and Self-concept Formation Process in Adolescent Girls
Project/Area Number |
26380949
|
Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
相良 順子 聖徳大学, 児童学部, 教授 (20323868)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 忠義 聖徳大学, 児童学部, 教授 (80236926) [Withdrawn]
宮本 友弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (90280552)
鈴木 悦子 聖徳大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10352676)
家近 早苗 聖徳大学, 児童学部, 准教授 (40439005) [Withdrawn]
川並 芳純 聖徳大学, 児童学部, 教授 (70258953)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 思春期 / 女子 / 縦断研究 / 自己評価 / 学力 / 抑うつ / 学業的自己概念 |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期女子においては自己評価が低下することが知られているが、この原因について学業成績や進路との関連については検討されてこなかった。我々は、平成26年から,女子中高一貫校において質問紙調査を実施し、3年間の縦断的データを蓄積し、コンピテンスや抑うつなどの心理的変数の推移の検討に加え、中高一貫校において毎年実施された標準学力テストの成績を合わせて分析した結果、下記成果を得た。 1)自己評価は、中学1年から2年の間で著しく低下し、その後は低いままであること、高校では自己評価は低いまま推移する。2)自己評価や抑うつなどの心理的変数には学力自体よりも主観的な評価である学業的自己概念が関係し、学業的自己概念は、外的基準よりも内的基準が準拠枠とされる。3) 進路決定については、コンピテンスや抑うつなどの心理的変数と受験する大学の選択における自己決定や挑戦行動との関連はみられず、受験行動は心理的変数と別の次元が働く可能性がある。4)全体的な抑うつでは、中学生も高校生も1年次から3年間安定した群と2年生から急に抑うつを高め、3年次で臨床群に入る不安定群が存在する。5)全体的にみると、中学、高校のどちらにおいても1年生の達成動機は、次の年の抑うつを抑制する。6)高校1年次の成績は、親の子どもの進路に対する期待を媒介にしてそれが2年次の成績を高める傾向がある。 以上、本研究における2コホートについての3年間の縦断研究の結果から、思春期の女子の自己評価は対人関係の自信や抑うつと密接な関係があるが、このような心理的要因は学業自体や大学受験先の決定には関連しないことが示され、認知的、感情的な自己評価と学業や進路領域の自信は独立していること、さらに、思春期女子の抑うつの増加を抑制するために、生徒自身の目標を達成するように動機づけるということの重要さが指摘できたことは有意義であると考えられる。
|
Research Products
(5 results)