2015 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者の図形の選好過程における精神症状と認知機能に関する臨床心理学的研究
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26380952
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岩満 優美 北里大学, 医療系研究科, 教授 (00303769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統合失調症患者 / 選好 / 描画 / 精神症状 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は約60名の健常者を対象に14種類の図形を呈示し、もっとも好ましいところに1本の分割線を描く課題とそれに対する感想、そして性格を測定する質問紙の記入を依頼した。この実験を行い、図形の選好と性格傾向との関連について検討した。その際、図形の選好に関する計測や数量化について研究者間で話し合い、もっとも適切な計測方法および数量化について検討した。図形の選好と性格との関係についてはさらに研究を継続してデータを増やし、検討する必要があると考えられる。 一方、約15名の統合失調症患者を対象にもっとも好ましいところに1本の分割線を描く課題とそれに対する感想を聞くという実験を行い、健常者と比較検討した。その結果、垂直方向に分割全を描く場合では、6割から8割の統合失調症患者が対称性を好むのに対して、健常者では約5割から7割が対称性を好む結果となっており、その頻度は統合失調症患者と比べて少なかった。水平方向に分割線を描く場合には、5割から8割の統合失調症患者が対称性を好むのに対して、健常者では約3割から6割が対称性を好む結果となっており、その頻度は統合失調症患者と比べて明らかに少なかった。そのため、統合失調症患者は健常者と比べてより対称性を好むことが示唆されたが、両群の年齢をマッチングすることや対象者数を増やすことなど、研究課題は残っている。これらの研究結果の一部について、2016年度に横浜で開催される国際心理学会で発表予定である。 なお、統合失調症患者および健常者が対称性を好む理由に関する質的分析がまだなされておらず、こちらについても今後分析を進めていく。また、統合失調症患者については精神症状との関係から分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、健常者および統合失調症患者のデータを継続して収集し、データ分析を行っている。研究分担者や研究協力者との連携も円滑である。今後も継続してデータ分析および解析を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年と同様、健常者および統合失調症患者のデータ収集を継続して行い、データ分析を実施する。質的分析も行っていく。また、アイカメラを使用しての研究が実施できるよう、今年度中に研究分担者および研究協力者と相談しながら進めていく。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 統合失調症患者による描画の画像解析と心理的解釈2015
Author(s)
竹村和久,館松 詩織, 川杉 桂太,岩満 優美,小平 明子, 延藤 麻子, 轟 純一,轟 慶子
Organizer
日本感性工学会第43回あいまいと感性研究部会ワークショップ
Place of Presentation
西日本総合展示場(福岡県北九州市)
Year and Date
2015-11-24 – 2015-11-24
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