2016 Fiscal Year Research-status Report
家族関係の再構築に向けた支援プログラムの開発と効果研究
Project/Area Number |
26380961
|
Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
福丸 由佳 白梅学園大学, 子ども学部, 教授(移行) (10334567)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加茂 登志子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所, 研究員 (20186018)
藤田 博康 山梨大学, 総合研究部, 教授 (80368381)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 家族支援 / 里親 / 離婚家庭 / 心理教育 / CARE / FAIT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は家族支援の観点から、里親家庭および、離婚を経験する家庭を対象に、心理教育プログラムの実施と、その効果の分析することで、より実態に即した支援のありようを検討することを目的としている。具体的には、里親家庭には、子どもとのコミュニケーションに焦点化したCAREプログラムを3回にわけて実施し、一方、離婚を経験する家庭に向けては、離婚前後の親子の関係構築を中心としたFATTプログラムを親子に向けて実践している。それぞれのプログラムは、2回から3回に分けて実施されるが、各々1年間に複数クールの実践を行い、事前事後の調査を行った。 まず、CAREについては、昨年度に引き続き自治体で実施している里親研修での実施となったが、行政側の研修制度の変更に伴い受託前の参加者が多かったため、その多くがプログラムの評価にとどまり、効果研究の結果を示すだけのデータ数が十分には得られなかった。一方、FATTプログラムについては、親子双方への実践を複数回行ったが、子どもの参加者が少なかったため、プログラムの評価検討を中心に行い、それらの結果について学会において発表した。 なお、CAREプログラムについては、米国での改訂版出版に伴い、日本語版のテキストの改訂およびテキストの出版を行って、実施する専門家への研修活動や普及なども積極的に行った。さらに、例年通り専門家向け研究会を実施し、トレーナーの質の向上につとめた。28年度は、虐待防止に向けた取り組みや、教員の資質向上に向けた研修など、より多くの現場でCAREプログラムが活用されるにいたっており、今後は効果研究を充実させることがより一層重要であると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心理教育の実践自体は順調に進展しているが、研修を行う行政の制度の変更などにより、効果研究のデータ数は伸び悩んでいる状況にある。そのため、他の行政との連携なども視野に入れつつ、支援のためのシステム作りを行っている。また、HPなどを用いた実践の支援の確立は、ほぼできつつあり、FAITプログラムの実践自体は、一定数の参加者が着たい状況になりつつある。調査研究するのに十分なデータを得られるよう、研究期間を延長の上、今後も継続的に努力をしていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
里親向けの今後も、引き続き支援プログラムの実践と効果研究、プログラム開発および、支援システムの構築を行っていく。28年度は、FATTプログラムにおいて、子どもグループを含めた実践を定着できたことで、今後は親子双方に向けた支援の体勢が整った。今後はできるだけ多くの調査データを収集して支援の効果について検討していきたいと考えている。また、上記の通り、現場での実践はある程度、定着しつつあるので、今後は効果研究を充実させることがより一層重要であると考えている。
|
Causes of Carryover |
研究対象の里親および、離婚家庭の親子に向けた支援プログラムは、年に複数回実施しているが、行政の実施制度の変更などもあり、当初の見込みよりも調査研究に参加可能なものが少ない傾向にある。たとえば、里親は登録後であっても受託前の参加者が多かったこと、離婚家庭のプログラムのほうは、調停中であるために調査に協力ができない場合や、子どもの参加者が見込みより少なかったことなどが挙げられる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後も継続して実践をするなかで、少しでも調査に研究できる参加者も募っていく予定である。また、里親向け研修については、複数の自治体で実施することで今年度は協力者を増やしていく予定である。
|