2016 Fiscal Year Research-status Report
子どもと保護者のメンタルヘルスを支える教員研修プログラムの開発
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26380965
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
谷 晋二 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20368426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 琴美 大阪人間科学大学, 人間科学部, 准教授 (80411718) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ACT / 研修プログラム / 発達障害 / 支援者 / 教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は発達障害のある子どもやその保護者を支援する教員や他の支援スタッフ(行政や施設の職員など)にアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)に基づく支援プログラムを開発し、その有用性を検討することが目的である。 2016年度の研究計画では、これまでの予備的研究に基づいてプログラムを完成させ、有効性の検討のための実践研究をおこなうことであった。予定通り、プログラムを作成し、実践研究を行うことができた。 本年度の研究では、34名の参加者がワークショッププログラムに参加した。WAITING LIST デザインを用いた研究計画が用いられ、ACTの知識、マインドフルネスの状態、認知的なフュージョンの程度、心理的柔軟性の程度、抑うつと主観的QOLに関する尺度を用いて、有効性の検討を行った。ワークショップは1日4-5時間、グループ形式で行われた。体験的なエクササイズが実施され、参加者はお互いの体験を共有した。 その結果、ACTの知識と認知的フュージョンについてはWAITING 群との間に明確な有効性が示された。他の測度では、時間による変化が大きく、WAITING 群との比較した効果を明確にすることはできなかったが、すべての測度で望ましい方向への変化が見られた。3ヶ月後のフォローアップの結果では、ワークショップの効果が維持され、参加者は本プログラムが有用であったという主観的な評価を示していた。作成したプログラムや資料はホームページ上で公開し、また希望者にはビデオ映像を提供している。本年度の研究の結果の概略について、一般向けのスライドを作成しホームページ上で公開している。 2016年8月には中国蘇州において本プログラムを用いて支援者向けのワークショップを開催し、Chinese Academy, Beijingにて本研究を含めて、関連するテーマについて講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定通り、プログラムの作成と有効性を調べるための研究を実施することができた。プログラムに使用したテキストやスライドをホームページで公開することができた。実施したプログラムの効果について、概略をまとめホームページで公開している。参加者へは、個別にプログラムへの参加前後の変化を知らせることができた。 予備研究の成果について、ACBS 14thでポスター発表を行い、海外の研究者との情報交流をすることができた。また、本プログラムを中国の支援者に提供することができた。2017年3月にはミラノで行われたACBS italiaで本研究結果と関連する研究についてWSのプレゼンテーターを務めた。 2016年度の研究成果をACBS 15thで発表する予定である。 当初予定していた以上に、研究成果を海外の研究者や支援者と共有することができたので、当初の計画以上に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進の方策は、学会発表、学術論文として本研究を公開することである。そのために、データの最終分析を進め、2017年度中に採択、掲載されるように準備を進めている。 2016年度までの実績で多くのビデオ素材を収集することができたので、それらを編集し、オンラインで学習することができるようなプログラムへと発展させていくことが必要であると考えている。 海外での類似の研究では、様々なプログラムがオンラインで学習できるシステムの整備が進んでいる。本研究もオンライン学習ができるように改変していくことが望ましいだろう。
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Causes of Carryover |
研究分担者が2016年9月に退職し、研究分担者の資格を喪失した。そのため研究分担者の研究費が年度途中から研究代表者へ戻されたため、研究費の一部に、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者は次年度も研究協力者として研究に参加する予定である。そのため研究代表者と研究協力者の国際学会での発表や論文執筆に伴う経費(英文校閲費用、データ分析に関わる経費)として計画通り使用する予定である。
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[Presentation] ACT & RFT2016
Author(s)
SHINJI TANI
Organizer
Chinese Academy
Place of Presentation
Beijing, China
Year and Date
2016-08-08 – 2016-08-08
Invited
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