2015 Fiscal Year Research-status Report
児童養護施設入所児童の愛着の再構築に関する基礎研究―ドールプレイの変化を通して
Project/Area Number |
26380968
|
Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
谷向 みつえ 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (20352982)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 淳子 福山大学, 人間文化学部, 教授 (90291880)
桂田 恵美子 関西学院大学, 文学部, 教授 (90291989)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | Attachment Doll Play / アタッチメントDタイプ / 児童養護施設 / 経年変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はAttachment Doll Play(以下ADPと略す)の変化を通して児童養護施設入所児童の愛着の再構築について検討することを目的としている。平成27年度は、前年度に2か所の施設で新たに実施したADPのテキストデータを作成し、査定の作業および査定者間の信頼性の確認を行った。Doll Playの結果は24名中D1に分類されたのは6名、Aタイプが8名、Bタイプが6名、Cタイプが4名であった。ADPは、施設間で安定型・不安定型に差が見られたため、施設の環境要因等の聞き取り調査の結果も踏まえて関連を検討することを今後の検討課題としたい。 生活における施設入所児童の対人関係を知るために同時に実施した絵画愛情関係テスト(PART)の結果は、先行研究の分類法にあてはまらなかったため、分類方法を検討することが課題である。 一方、平成23年度にADPを実施しDタイプに分類された児童2名について再度ADPを実施したところ変化が見られた。これらの事例に関しても今後、変化の要因について検討を加えたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Attachment Doll Playの実施および査定は予定通りの進捗状況であるが、環境要因等の変数の調査が次年度になり、これらの要因とADPやPARTとの関連についての分析は次年度に持ち越された。環境要因等の変数調査が持ち越された理由として、研究の窓口となっていた施設の担当職員の休職と、環境要因調査に関する調査項目の選定に関して遅れがみられたことが挙げられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は施設の生活における入所児童の環境要因を調査し、それらの変数とADPやPARTとの関連の分析を進める。環境要因に関する調査は保育プロセスの質に関する研究を参考にする予定である。PARTの分類方法に関しては先述の通り、新たな分類基準が必要であるため、PARTを作成した研究者に問い合わせし検討する予定である。これらの結果から一先ずこれまでの研究成果を学会等で発表する。 加えて2回めのアタッチメント査定を各施設で開始する予定である。
|
Causes of Carryover |
ADP査定に関する謝金が未決済であること、施設における聞き取り調査の謝金が未決済であること、予定の学会に参加できなかったことにより次年度使用額が生じた。また物品費に関して購入予定のビデオを借物で代用した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の調査に際し、調査実施予定の研究者の所属が変更になり、協力施設からかなりの遠方になったため、宿泊費も含めた旅費に使用する。また昨年度、できなかった成果報告のため、学会参加費および旅費に使用する。Attachment Doll Play実施時に子どもに録画のストレスを与えないよう小型のビデオを購入する。
|