2015 Fiscal Year Research-status Report
被虐待児の箱庭作品、コラージュ作品の査定の合理性に関する比較研究
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26380975
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
西村 喜文 西九州大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40341549)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 臨床心理学 / 箱庭療法 / コラージュ療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、児童養護施設での箱庭技法、コラージュ技法を用いた調査研究を基盤にしている。27年度は、収集した箱庭作品、コラージュ作品を箱庭印象評定尺度、コラージュ印象評定尺度、判断軸、コラージュ・スコアリング・カテゴリーを用いて評価し、査定の合理性について検討した。 ①箱庭内容分析(箱庭表現特徴):収集した作品について、玩具の特徴、初動時間、玩具数、玩具の種類に視点を当て分析し、被虐待児の箱庭表現の特徴を再考した。②箱庭作品の評価に関する分析:箱庭印象評定尺度を用いて、箱庭療法の実践経験のある臨床心理士3名に全作品を対象として評価を行ってもらった。さらに、箱庭療法の実践経験のない初心者50名に全作品を対象として評定を行ってもらい、被虐待児箱庭作品の評価の相互性について検討した。 ③コラージュ作品分析(形式・内容分析):収集したコラージュ作品について形式・内容分析を行った。形式分析として、タイトルの有無、切片数、余白量など全体表現の特徴と切り方、貼り方などの表現特徴を把握した。また、内容分析として、人間、動物、自然風景などの出現について分析し、すでに収集している作品と合わせたコラージュ作品について被虐待児のコラージュ表現の特徴を再考した。 ④コラージュ作品の評価に関する分析:コラージュ印象評定尺度、判断軸を用いて、コラージュ療法の実践経験のある臨床心理士3名に全作品を対象として評定を行ってもらった。また、コラージュ・スコアリング・カテゴリーを用いて、コラージュ療法初心者から全作品を評定してもらい、印象評定尺度、判断軸、コラージュ・スコアリング・カテゴリーの評価から査定の合理性について検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、児童養護施設での箱庭技法、コラージュ技法を用いた調査研究を基盤にしている。27年度は、箱庭作品、コラージュ作品の追加収集を行い(箱庭作品10名、コラージュ作品20名)、今まで収集した箱庭作品、コラージュ作品を箱庭印象評定尺度、コラージュ印象評定尺度、判断軸、コラージュ・スコアリング・カテゴリーを用いて評価を始め研究に取り組んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度に引き続き、箱庭、コラージュ作品を箱庭印象評定、コラージュ印象評定尺度、判断軸、コラージュ・スコアリング・カテゴリーを用いて評価をし検討する予定である。同時に、箱庭技法、コラージュ技法を用いた関わりを申請者が継続して行い、3つの評価方法を用いて、その臨床的効果を比較検討し、箱庭技法、コラージュ技法の有効性について考察する予定である。
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