2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comparing the Rationality of the Assessments of Collage Art and Sand Play Art done by Victims of Child Abuse
Project/Area Number |
26380975
|
Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
西村 喜文 西九州大学, 子ども学部, 教授(移行) (40341549)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 臨床心理学 / 箱庭療法 / コラージュ療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、児童養護施設での箱庭技法、コラージュ技法を用いた調査研究を基盤にしている。その中での特色の一つとして、箱庭作品においては、箱庭印象評定尺度を用いて箱庭療法実践者と箱庭療法初心者による評価特徴を明らかにし、箱庭療法実践者と箱庭療法初心者における「箱庭の見方」の相互性について検討することである。コラージュ作品においては、山上(2010)が簡便で客観的に体系化された解釈基準の必要性からハンドテストの評価システムをコラージュ作品に適用した「コラージュ・スコアリング・カテゴリー」を作成し初心者でも可能なコラージュ作品の査定の試みを行っている。しかし、印象評定尺度や判断軸との関係については論じておらず、コラージュ作品の査定に関する合理性に関しては十分に確立されていない。そこで、研究全体を通じて、コラージュ印象評定尺度、判断軸を用いて、コラージュ療法実践者からの印象内容の特徴を把握し、さらにコラージュ・スコアリング・カテゴリーを用いた初心者からの評価内容の特徴を継続的に実施し、児童養護施設での臨床的効果をより確実なものとして「評価」を用いて実証することを試みた。平成28年度は、3つの評価方法を用いて臨床的効果を継続した面接を通して比較検討を試みた。実践数が少なかったが、コラージュ療法を用いた事例を日本心理臨床学会で発表した。 以上、3年間実施した、被虐待児の箱庭作品、コラージュ作品による臨床的特徴と評価について検討することにより、技法が児童養護施設において治療的効果があることや心の傷をいやし、心の成長を促進させる予防的意義もあることが明らかになり、その有効性について検証するこが出来たと思われる。
|