2017 Fiscal Year Annual Research Report
The relationship between cognitive style and global/local processing: Is cognitive style alterable?
Project/Area Number |
26380989
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
箱田 裕司 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (50117214)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知スタイル / グローバル処理 / ローカル処理 / Navon課題 / ロッドフレームテスト / 意味結束性課題 / 言語遮蔽効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「認知スタイルとグローバル処理対ローカル処理の関係:認知スタイルは変えられるか?」と言うテーマについて、グローバル処理あるいはローカル処理の訓練をすることがどのような影響を与えるかということの検討を通じて考えることをである。 この着想の基になった、言語化すると顔の再認成績が低下する現象である「言語遮蔽効果」が言語化するのではなく、①Navon課題のグローバルあるいはローカル処理をすることでも生じること、②グローバル処理は顔の再認を向上させ、ローカル処理は顔の再認を低下させるという先行研究を匂いの再認実験において批判的に検討し、グローバル処理時間が3分の時にのみ向上させるという生起条件を特定することができた。さらにこのことに基づいて、グローバル処理、ローカル処理が日常事物の触覚においても上記と同様の現象が生じることを明らかにできた。 そして、認知スタイルの代表的課題である、外枠を無視して棒を鉛直に調整する「ロッドフレームテスト(RFT)」において、ローカル処理を行うと調整値と物理的鉛直との差が小さくなるが、グローバル処理を行うと差が大きくなることが分かった。しかも、この効果はグローバル処理の時間が3分間のときに得られた。同様の効果は、semantic coherence 課題(意味結束性課題)でも認められ、グローバル処理を行うといくつかの事例から背景にあるカテゴリー名を生成する成績が向上するが、ローカル処理を行うとその成績は損なわれることが分かった。 このように、認知スタイルとグローバル処理・ローカル処理は密接な関係がある、従来の、認知スタイルを安定した個人特性と見なす考え方は誤っており、状況によって変動する情報処理モードであることを示している。
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Research Products
(4 results)