2015 Fiscal Year Research-status Report
近代日本の学力観の変遷に関する歴史的研究--中等程度の検定試験に注目して--
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26381004
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
三上 敦史 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30362304)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育史 / 検定試験 / 独学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.資料調査・分析の実績 研究実施計画に従って、全国各地の大学・公共図書館・文書館などに置いて資料調査を実施した。収集した資料は、地方公共団体が発行した統計書、中等・高等教育機関の学校記念誌・同窓会誌、学生・生徒あるいは勤労青少年向けの雑誌、新聞が中心である。 具体的には、昨年度から重点的に実施してきた雑誌『成功』の資料調査・内容分析に関しては、全国の大学・公共図書館を渉猟しても埋まらない欠落部分の一部を発見し、復刻事業に組み込むことができた。また、内容の分析を進め、解題・総目次を出版した。また、かつて博士論文で手がけた近代日本の夜間中学に関する資料収集の補遺や、受験雑誌『受験と学生』の資料分析などの作業を実施した。
2.研究成果の発表の実績 昨年度・今年度と集中的に資料収集・分析を重ねた雑誌『成功』について、不二出版㈱による復刻事業に助言を行ったほか、その解題・総目次を出版することができた(ISBN978-4-8350-7737-6)。同誌は明治末期から大正初期にかけて、当時の日本を代表する知識人、実業家、陸海軍将校等が、学問や職務に精励することによって「成功」を「自助的」にかちとることを説く修養雑誌であり、学歴・職業・希望進路などを問わず広く青少年一般に読まれた雑誌であり、その歴史的価値は非常に高い。復刻事業が順調に進捗し、今回は解題・総目次を出版したことで、近代日本の教育・社会・文化に関する歴史的研究に携わる者に少なからぬ便益が図られたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料分析に時間を要し、また雑誌『成功』の解題・総目次の執筆に時間を要したため、本年度も学会発表・論文投稿には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.資料調査および整理 若干作業が遅れているため、これまで以上に時間を配分して回復に努める。
2.発表 いずれかの学会・研究会で発表を行うほか、学内紀要に論文を投稿して研究成果の公表を行う。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況の遅れに加え、年度末に実施した資料調査の会計処理が事務的な関係で次年度に持ち越しになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進捗状況の遅れについては回復に努める。また、会計処理の遅れについては次年度で適正に処理される。
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