2014 Fiscal Year Research-status Report
「国際的資質」形成プログラムに着目した東アジアにおける教師教育の比較研究
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26381008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 光晴 東北大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (00583155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 達也 明治大学, 文学部, 講師 (00581208)
嶋内 佐絵 上智大学, 総合人間科学部, JSPS特別研究員(PD) (80727107)
樋口 謙一郎 椙山女学園大学, 文化情報学部, 准教授 (40386561)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教師教育 / 教員養成 / グローバル化 / 韓国 / ダブルディグリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、教師教育の国際化が議論される中、東アジア諸国の教員養成及び現職研修は国際化にいかに対応しているか、という問題意識に立つものである。特に教師教育における「国際的資質」に着目し、「国際的資質」がいかに設定され、どう変化し、カリキュラムや国際交流プログラムにいかに位置づいているかを明らかにすることを目的とする。 本年度は、日本の教員養成系大学における国際化動向に関する情報収集と東アジア諸国の教員養成系大学の国際化動向を明らかにすることを目的に、国内事例として東京学芸大学、関西外国語大学の取組を、外国事例として韓国の京仁教育大学校の事例を調査した。特に韓国では、教員養成系大学のみを対象とする「グローバル教員養成拠点大学(Global Teachers University)支援事業」を展開しており、教員養成課程のグローバル化を展開してる。注目されるべきは、教員養成課程において外国の大学と現地免許の取得を伴うダブルディグリーコースを設計していることである。その詳細については今後も調査を進めたい。 日本と韓国の教師教育におけるグローバル化動向については、1.日韓両国の教員養成はこれまでの質向上に加え、グローバル化への対応が求められている。2.国際化へのアプローチでは、韓国はトップダウン型、日本は各大学裁量型という特徴が見られた。3.教員養成での「留学」に対する採用時インセンティブについて、韓国では教員採用時の枠は無く、日本では一部枠が有ることが確認された。これらの成果は、学会報告するとともに、論文として公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日韓の状況について事例調査を進めつつ、これらの成果を東アジア学会、アジア教育学会、高等教育学会で報告し、論文2本にまとめることができた。台湾調査についても台湾研究者の協力が得られ、資料収集を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き教員養成課程における「国際的資質」育成に関する政策文書の収集、台湾(本調査)、韓国(追加調査)を行なっていく。さらに、政策面のみならず、カリキュラム内容や履修構造についても比較検討を行なっていく。これらの成果はアジア教育学会、比較教育学会で報告する。
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Causes of Carryover |
台湾の現地調査が諸事情により平成27年度に延期されたためである。その為、旅費および通訳者への謝金が発生せず、次年度以降に繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度9月に台湾現地調査を行なう予定で調整を進めている。台湾研究者である帝京大学の山﨑直也氏にコーディネートしていただくため、次年度以降に余剰金を当てる。
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Research Products
(5 results)