2016 Fiscal Year Annual Research Report
The Attitude toward Work and Occupation in New Education as a Prefiguration of the Current School-To-Work Transition Problem
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26381024
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 敏子 三重大学, 教育学部, 教授 (20269129)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移行問題 / 新教育 / 職業観 / 勤労観 |
Outline of Annual Research Achievements |
「職業観育成」および「勤労観育成」を目指した教育実践の成果についてドイツの新教育学校の事例と日本の新教育学校の事例を比較することで、成果の大きさは生徒の出身階層の構成および生徒にとっての教員像のいかんによって左右されることが明らかとなった。すなわち、この2つの要因によって、教員による教育の企図と生徒による教育の受容がどの程度の温度差を生み出すかが変化していることが判明した。 子どもへのまなざしと社会へのまなざしという新教育運動に特徴的なふたつのまなざしが、その受容の過程においてどのように乖離・変貌していくかというメカニズムを解明することが、現代における「職業観育成」および「勤労観育成」に傾斜した移行問題の検討するに際して大きな意味をもつということが明らかとなった。 「職業観育成」および「勤労観育成」という観点から日本の「キャリア教育」および他国における広義の「職業教育」を精査すると、現代という文脈においても文化的相違を超えてエンプロイアビリティの理解における主観主義重視の傾向がみられることを浮き彫りにすることができた。
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