2016 Fiscal Year Research-status Report
<レジリアントな個>の育成とアメリカ実践哲学:哲学と教育のクロスカレント研究
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26381026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 直子 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (20334253)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レジリアントな個 / アメリカ実践哲学 / 哲学と教育のクロスカレント領域 / 哲学のサブジェクト転換 / 危機からの再生の哲学 / 国際研究者交流(欧米) / 哲学と教育の学際的対話 / 基礎づけなき安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究概要>本研究は、グローバルなリスク社会を生き抜くための強靭な思考力を通じて不安と不確実性を「基礎づけなき安全」に転換する<レジリアントな個>の育成のための哲学を開示することを目指す。そのために、アメリカ哲学がもつ「危機からの再生の哲学」としての革新的意義を、実践性、学際性、国際性の諸側面から解明し、市民性教育や哲学教育における意義を示す。研究の手法として、哲学と教育の学際的・国際的対話を軸に、他なるものに向けて自己自文化の超越を促す哲学と教育のクロスカレント新領域を開拓することを目標とする。
<研究実績>1. アメリカ哲学で世界的に著名な哲学者バーンスタイン教授の日本招聘とアメリカ哲学フォーラム年次大会(開催校実行委員長)において、バーンスタイン教授基調講演への応答講演を行い(2016年6月)、その功績を認められて2016年11月、同教授の所属するNew School for Social Researchへ招聘され発表を行った。2. 海外共同研究者との英語編著1冊が出版された。3. 採択率5割以下のアメリカ教育哲学会およびアメリカ哲学促進学会において英語論文が審査受理され発表、前者は来年度に出版されることになった。4. 台湾師範大学で科研課題について基調講演を(2016年11月)、コロンビア大学ティーチャーズカレッジにて招待発表を(2017年3月)を行った。これらの研究実績を通じて、アメリカ哲学の実践的意義を国際的場面で発信し、国際ネットワークを築くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1. アメリカ哲学で世界的に著名なバーンスタイン教授の所属するNew School for Social Researchへ招聘され発表を行い、その成果が同校の発行する国際ジャーナルに掲載されることが決定した。またこの交流を機に、同教授の著作の翻訳計画が立案、推進されることになり、本年度採択科研課題研究へと発展した。 2. 台湾師範大学での基調講演を通じて、当初予期していなかったアジアの研究者とアメリカ哲学についての国際ネットワークを築くことができた。 3. 科研課題に関わる海外先端研究者との英語共著、英語編著出版、国際教育哲学会プログラム実行委員長および特集号の編集者など国際的出版活動、学会活動を通じて多くの出版業績を積み、同時に本年度の科研課題研究に道が開けた。 4. 採択率の低い、アメリカの学会で2つで審査受理論文を発表した。コロンビア大学ティーチャーズカレッジで招待講演を行った。 5.研究業績を認められ、イギリス教育哲学会に招待され日本人初の基調講演を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1 進行中の英語共著1冊、英語共編著1冊、日本語共編著2冊、翻訳書1冊についても出版に向けて進捗した。原稿を出版社に提出済みの日本語単著を今年度中に出版する予定。 2 アメリカ教育哲学会において成果発表を行う。(*審査受理された場合) 3. 2017年5月に海外共同研究者を招聘し、日本哲学会でパネル発表を行う。これを元に、上記1の英語共著、英語共編著、および翻訳書の出版の実現に向けて打ち合わせおよび最終総括を行う。
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Causes of Carryover |
a. 研究代表者の健康上の理由により、年度前半に海外渡航等の計画を十分遂行できなかったため、経費執行計画を立てていた一部の計画を来年度以降に延期する必要が生じたため。 b. 研究代表者の健康上の理由により、年度前半に完了予定であった英語著作、日本語著作、翻訳著作の執筆計画を平成29年度に持ち越す必要が生じたため。 c. 海外共同研究者の招聘計画が、平成29年度5月に延期されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1. 2017年5月に、海外共同研究者を招聘し、パネル開催および研究打ち合わせ、著作執筆計画を進行させ、年度内に一部の出版を実現する。2. 2017年7月に、パリ第一第一大学で研究課題についての発表を行う。3. 英語著作および英語での成果発表の英文校閲費に使用する。4. 2018年3月にアメリカ教育哲学会で英語による成果発表を行う。(*審査受理された場合)
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Research Products
(22 results)