2015 Fiscal Year Research-status Report
〈生の実践知〉を継承する技法に関する歴史的教育人類学的研究―日韓の比較を通して―
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26381028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 美香 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80294776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 みどり (高松みどり) 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (20626478)
池田 華子 天理大学, 人間学部, 講師 (20610174) [Withdrawn]
盧 珠妍 奈良女子大学, 教育システム研究開発センター, 特任助教 (10724239)
下司 裕子 (北詰裕子) 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (30580336)
高橋 舞 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 講師 (50735719)
室井 麗子 岩手大学, 教育学部, 准教授 (40552857)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育メディア / 世代継承 / 実践知 / 意味解釈のズレ / 東西比較 / 日韓比較 / 近代教育批判 / 歴史的教育人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、社会的・人間的な日常生活を送るのに必要な知恵や振る舞いである〈生の実践知〉に着目し、この知を次世代に継承する諸技法(教育メディア)について、1)音・声、2)色・形、3)空間構成の3つに類型化した上で、それらが人間の成長と成熟に及ぼす作用と教育実践上の有効性・意味について解明する。 研究期間3年間のうち2年目に当たる27年度は、フィールド調査研究を中心に進めた。まず、日本におけるフィールド調査研究(地蔵盆の参与観察とインタビュー調査)を8月に兵庫県豊岡市で実施した。次に、韓国におけるフィールド調査研究(チェサ・チャレの参与観察とインタビュー調査)を9月に公州で実施した。これらの成果は、分担者の池田・高松・盧によって論文として発表・公開される予定である。 文献調査を担当している岡部・高橋・室井は、それぞれに日本・韓国・西洋における世代継承について、その意味解釈のズレに焦点を当てつつ考察し、学会発表および論文執筆において成果を発表した。 現在、それぞれの成果を総合するべく、メールでの意見交換や研究会において議論を重ねている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度に計画していたフィールド調査はすべて無事に実施できた。また、調査地の人びとと良好な関係を築くことができているため調査の継続が可能であり、研究成果の精査・発展に必要な場合には、再度、フィールド調査を行う準備が整っている。 文献調査については、分担者が個別に進めてきた研究の成果を比較・総合してまとめる段階にまで来ている。 以上のように、28年度に研究の全体的な総括を行う準備は十分にできていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
文献研究およびフィールド調査研究でそれぞれに出ている成果を総括するべく、メールによる意見交換のほか、研究会を数度、実施する。成果の総括をさらに精査・発展させるために、海外の研究者(ドイツ・ドルトムント工科大学のLothar Wigger氏)にレビューをしていただく予定である。 総括・精査された研究成果は、国内の学会(教育哲学会)、海外の学会(Philosophy of Education Society of Australasia)などで発表する。加えて、学会や大学の研究紀要に投稿する。さらに、大阪大学大学院・人間科学研究科・未来共創センターが実施するコンポジウム(コンサートとシンポジウムを合わせたサイエンス・カフェ)において、一般市民や生徒・学生に向けて発信することを計画している。
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Causes of Carryover |
フィールド調査と文献調査それぞれにおいて研究成果を出すのに予定よりも時間がかかり、27年度中に大阪大学での開催を計画していた成果の総括のための研究会を28年度前半期に延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年3月までに個別の成果は発表・公開できた。したがって、28年度の前半期は、すぐに成果の総括に取り組むことができる。前年度の繰越金を活用して、研究会を数回開催する予定である。また、繰越金が出たために、海外での成果発表も視野に入れることができるようになったので、発表を申請している。
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Research Products
(5 results)